村井純氏の講演を聞いた

11/11(水)13:30 から、広島県健康福祉センター 8F の大研修室で、慶大教授で「日本のインターネットの父」とも呼ばれる村井純氏の講演を聞いた。
「コンピュータ&ネットワーク EXPO'09 広島」の基調講演だったのだ。

初めての生・村井だったのだが、やっぱ話はうまいねえ。楽しく1時間半、話を聞くことができたよ。

091111_133512.JPG事前の申込が必要だったんだけど、事前予約している人たちが入場した後、立ち見でよければ予約してない人も入れてくれるということで、何とかW■さんと二人で潜り込むことに成功。(笑)
結局、立ち見客にもパイプ椅子が配られ、落ち着いて拝聴することが出来た。ありがとう>情産協スタッフ

で、話の内容なのだが、IETF広島会議の内容の紹介から始まって、インターネットの最新の話題(デジタルサイネージ、Internet of Things 等々)から、インターネットの世界で日本が為すべき役割など、雑多だが面白いものだった。

特に記憶に残ったのは、「日本は決してガラパゴスではない」という話。
「国際同調原理主義者」は、病的に日本独自規格を嫌い、日本はガラパゴスだと宣伝しているが、決してそうではないと。

国際規格を遵守していれば良いという考え方は、創造の力を奪い、他人任せ、多数派への隷属根性を育む暗黒思想だと常々俺は考えている。日本で生まれた規格を国際社会に認めさせることが大切なわけで、それは日本独自のオリジナリティに溢れたもので良い。
今の日本人はその努力を怠り、自らガラパゴス化しようとしているとしか思えん。嘆かわしい。

実際、インターネットの世界では、日本生まれ、あるいは日本人技術者が熟成させた規格が国際的な規格になったり、日本人が中心になって、新規格を検討する会議を立ち上げたりというのはざらである。IPv6 の話なんか、モロにそうだ。
そんなインターネットの世界を知ることは、現実社会でも「日本人、捨てたもんじゃねえぜ。けっこう凄いぜ」と、日本人を力づけることになるだろう。
それを思っての、村井氏の話だったんじゃないかな。

もうひとつ、「インドネシアの学生たちが、中華鍋をアンテナにして、高速回線の引かれている都市部から、インターネット環境の無い田舎まで IEEE 802.11シリーズ の WiFi ネットワークを構築した」って話。
大学生の実験なんだけど、別に、「国が田舎に手をさしのべてくれない(インターネットの基盤構築をしてくれない)のなら自分らでやっちゃおうぜ!」という意味もあってのことだそうだ。

まるで、若者の情熱がまともな方に向いていた頃のニッポンの、手作り FM 局を思い出すような話じゃないか。スタッフが自分たちで中継アンテナ立ててまわってたね。

今、ググって見ると、もう二年前の話のようだが、中華鍋の写真を見ながら大笑いしながらも感動した。

これも、村井氏の「国や自治体が動いてくれなくても、自分らでなんとかしようっていうパワーを持とうぜ!」っていう発破なんだろう。俺ら「インターネットの周りでうごめく者たち」への。

この不景気の中、何となく明日への希望も見えた(大げさな話じゃなくね)講演だった。
聞いてよかった。:-)

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このページは、shinodaが2009年11月15日 07:19に書いたブログ記事です。

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