テレビとか映画とか: 2010年11月アーカイブ

まあ、俺は萩の在る長門国ではなく周防国。それも長州藩ではなく岩国藩の人間だが(笑)、もちろん同じ山口県人として、維新はわしらの祖先が原動力となったと誇りに思ってるよ。
維新後の長州閥による権力の独占などを理由に長州を悪く言う人もいるが(主に、徳川家直系の藩だった人たち?)阿呆かと思うし。
じゃあ、他に誰が幕府を倒し近代化を出来たと思ってるんだ?文句があるならチョンマゲ結って、「拙者でござる、拙者でござる」とか言うとけ。

あ、話がずれたけど。(^^;
まあ、そういうことで、幕末の話は好きなのである。

20101123_choushu5.jpgんが、そんなにマニアではないので、長州五傑(Choshu Five)の話は知らなかった。
例えば伊藤博文が英国留学経験があるというのは知っていたが、それがどんな留学だったのか深く考えたことなかったし。
なので、岩国の映画館で長州ファイブのポスターを見て、ああ、5人の長州藩士が決死の覚悟で渡英したのね・・・と初めて知ったのである。

長州藩士の物語とくれば、山口県人として興味津々だし、長州ファイブという語感も格好良いので是非見たいと思っていたのだが、中々見る機会に恵まれず、今日、去年の正月の夜中にKRYで放送されたものを録画しておいたヤツをやっと見ることが出来たのだ。

で、感想。

う~ん・・・色々考えさせられる映画だけど・・・
こう、なんちゅうか、盛り上がりが全然無いんよね・・・せいぜい喧嘩レベルの騒動があるばかりで。

いや、もちろん、5人の若き藩士の命を賭けた行動をある程度リアルに描いたからだろうが、これ、映画にする必要あったんかなあ?
TVの三時間ドラマとかでも良いんじゃないかなあ。
あるいは、NHK大河ドラマとか。5人のそれぞれのエピソードを掘り下げていったら、十分一年分のドラマになるよ。

なんか、二時間のドラマで 5人の話をしようとするので、何か表面をなぞっただけの小さなエピソードの羅列になっちゃうし、最後に松田龍平演じる山尾庸三のエピソードを少し掘り下げてはいたけれど、やっぱ不十分な感じが・・・

ところで、物語の主役である 5人の「山口弁」は 60点くらいかなあ。やっぱ、イントネーションが違うところがいくつかあるし、意識してしゃべってるなあ感が抜けてなかったというか。
大村益次郎役の原田大二郎の山口弁が上手すぎて(そりゃネイティブだからな(笑))、何か妙にさらっと印象薄くシーンが終わっちゃった(^^;
他の役者の山口弁が「力がはいってる」からそう感じちゃったんだよな(^^;

いやあ、ほら、井筒監督の立ち位置がもろ「あっち側」じゃん。(^^;
なので、変なイデオロギーというか、何が何でも日本側が悪いんじゃ!という偏向思想に満ち満ちてそうで、キャストを見たら絶対面白そうなのに、手を出せずにいた映画であります。

やっと見ました。
いや、まあ、なんというか、歴史観はやっぱり偏向気味ですなあ。
笹野高史扮する朝鮮人の老人が「稲刈りしてたら突然トラックに乗せられて無理矢理日本に連れて来られた・・・」という話を涙ながらにするシーンがあるけど、実際のところ、そんなことが大々的に行われていたかのような印象を与えるけど、自分の意思で一旗揚げようと日本にやってきた朝鮮人の方が数は多いわけで・・・

20101123_pacchigi1.jpgま、所詮、お涙ちょうだいのエンターテイメントですよ。そういう目で見なければいかんよ、若者たち。
この映画で、「日本と朝鮮の悲しい過去を見た」なんて思っちゃいかんよ。歴史のことは別にちゃんと勉強しような!

つーわけで、井筒監督の歴史観は「あー、はいはい」くらいに軽く受け流して、エンターテイメントとしてみたらなかなかの佳作だ。
日朝の若者の友情や恋愛も、細かい選出でその複雑な心の機微をよく表現していてリアル。日本人の友人をわざと大声で脅す在日の若者は、そういう行動でしか絆の強さを確認できないのだろう。
こういう描き方で被差別者の悲哀をさりげなく表現させると、さすが井筒監督という感じである。

キャストも良いなあ。

なんちゅうても、沢尻エリカがむっちゃ可愛いがな。脚は強烈に太いけど。
まあ、天才は天才なんだな。ま、この映画の成功が「空気の読めない悲しい芸能人」に彼女をしてしまうきっかけになったのかもしれんが。今の沢尻エリカにはまったく興味がないのだが、この頃のエリカは本当に最高であります。

20101123_pacchigi2.jpgあと、気になるのが主人公の友人役の小出恵介。
スケベで馬鹿で軽率な高校生を良い感じに演じているのだ。

実は俺が初めて小出恵介を知ったのは 2006年に長谷川京子と共演した「おいしいプロポーズ」でのこと。この作品ではクールで利己的な若き経営者を演じたのだが全然駄目だった。
なんか、全然やり手経営者って感じがしないのだ。嫁と「こいつは駄目だね。事務所の力か何かで役を得たんだろうね。まったく役柄に合ってないよ」なんて酷評しまくりだったのだ。
それが、のだめカンタービレでの真澄ちゃん役という奇蹟を起こす。嫁と「小出恵介すげえ。何かクールな二枚目より、こういう役の方が合ってるよな。二枚目じゃ食っていけないので、こういう三枚目役にも手を広げたんかな?」とか言ってたんだけど、実はその前にパッチギ!の紀男役があったのね。
ほんと、ニヤニヤ笑いながらスケベなことを話す時の小出恵介は生き生きしている。(笑)

ということで、もっと早くみておけば良かった。
なかなか面白い一本です。(政治的視点では受け入れられない映画だけど(笑))

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