本とか雑誌: 2015年1月アーカイブ

「想像ラジオ」 いとうせいこう 著

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頭の5ページくらい読んだところで放置してて、いきなり昨日が返却日だったことを思い出し、今日の 9:30 まで返しに行けば大丈夫だから、夜、獺祭でも飲みながら読了するのだ!・・・と読み始めたものの・・・駄目でした(^^;
獺祭飲んだらいい気分になって寝ちゃった(^^;

なので、冒頭から 1/3 くらいと最後の方しか読んでないからまともな感想は書けないが、図書館で借りた本のメモなんで、一応読んだってことだけ書いとこう。

内容は、東日本大震災で大きな津波に流され、山の上の杉の木のてっぺんに引っかかったまま亡くなった男性が、DJ となって放送する「想像ラジオ」という番組とそのリスナーの物語。ちょっと想像つかんかな?想像ラジオなだけに(^^;
電波ではなく霊波で届くラジオ番組だね。

その男性は、放射能汚染で立入禁止区域に指定された山の木の上に引っかかったままで、いつまでも木から降ろされることもなく、空を見上げたままそこで「想像ラジオ」の放送を続けている。

こういう被災者もきっといるんだろうね。
木の上に引っかかってるかどうかはわからないが、立入禁止区域の土の下で眠り続けている人とか。
「木の上に引っかかったままの人がいる」という噂話が被災地で聞かれるみたいな記述もあって、もしかしたら本当にそういう噂話があって、それを題材にしたのかもしれない。
何にせよ、恐ろしいことだ。
それがまるっきり都市伝説のように否定しきれない、それほどの災害だったんだもんな。
なのに、それを忘れて「たかが経済のために」原子力発電所を動かそうとしている金の亡者どもってなんなのって思うわな。こういう本を読むと。フィクションであろうと。

で、いきなり話は東日本大震災から離れちゃうんだけど、この物語の中で、木の上の人の防水携帯に知人などから無事を確認するための着信が何度もあるんだけど、その部分を読んだ瞬間、頭の奥の方がツーンと痛くなった。

10年ほど前に自殺した元同僚を思い出したのだ。
サラリーマン時代の俺の同期だったんだけど、あの頃彼が関わってた仕事がむちゃくちゃで、そりゃ精神だって病みますわって感じで、今でもあんな仕事を受注した会社を俺は蔑んでる。愚かだなあと。お陰で人が一人死んだんやでと。当時の所長なんか殺人罪で逮捕されてもいいとさえ思ってるんだけど、まあ、その話は置いておいて。

俺が独立した翌年くらいか、当時借りていた三篠の事務所で独り仕事をしていたら、彼の奥さんから、昨日から彼が会社から帰ってこないんだけど何か心当たりはないか・・・と電話があった。
心配する奥さんに、彼は強い人間なので何の心配もないよと答えて、それから俺も彼の携帯に何度も電話した。最初の何回かは留守番電話に切り替わったので、「おーい、みんな怒ってないから帰ってこいよ。仕事が嫌になったのならうちの会社でこき使ってやるから早く帰って来いよお~」みたいな軽い調子でメッセージを残していた。

二日目くらいから、呼び出し音もしなくなった。
思えば、この時、彼の携帯はバッテリー切れしてたんだな。

誰も来ない山の中で首を吊った姿で彼が見つかったのは一週間後。それまで、俺たちが何度も電話をする度に、彼のスーツのポケットの中で、携帯が着信を知らせて光ってたんだろうなあ・・・と。

未だ木の上や土の中で、見つけてもらえず苦しんでいる多くの被災者と、救うことの出来なかった同期の彼の冥福を祈ります。
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「[図解]スティーブ・ジョブズ全仕事」 桑原晃弥 著

いやあ、俺はジョブズをまったくリスペクトしてないんですけど(笑)
しかし、ジョブズ亡き後の Apple 製品の迷走具合を見てると、やっぱジョブズはすごかったんだなあと思わざるを得ませんなあ(^^;
ジョブズが生きていれば、OS X Yosemite‎ なんて世に出なかっただろうし(笑)

まあ、そんな偉大なジョブズ様の生き様を、徹底的に肯定して書かれた本です。
著者の桑原氏、盲目的なジョブズファンなんだろうなあ(笑)

それでも、いくつか参考になるようなものもあります。

    • 誤差は気にせず進んだ。誰もやったことのない挑戦に、正確な見積もりができるはずがない。まずは一歩踏み出すことだ。
    • できない理由はいっさい聞かなかった。必要なのはできないいいわけではない。どうすればできるかを考え実行すること。
    • ロードマップにとらわれなかった。失敗したら計画とは違う道をさぐってみればいい。最後に大成功で終わればいい。
    • 過去の破壊をいとわなかった。コツコツと改良することは大事だ。しかし、時には過去を否定し、ゼロから再構築することが必要。
    • 力の弱いものとは組まなかった。B、C級プレーヤーは不要。A級プレーヤーとだけ仕事をする。相手ははみ出し者でも有能ならOK。
    • 「おバカの増殖」を未然に防いだ。組織が大きくなると無益な中間管理職が増える。B、C級プレーヤーを切って、チームは常に少数精鋭。
    • 「バランス」がくずれるほど働いた。「週90時間労働大好き!」効率は膨大な仕事の量と時間の中で体得していくもの。

・・・みたいな話は、俺がサラリーマン時代、守りにばかり入る無能な団塊世代に感じていたイライラの解だった気がするな。
未踏領域の案件なのに、細かい見積もりばかりを要求して機会を逃す・・・とかな(笑)

今なら、「ジョブズならそういう判断はしませんけどね(苦笑)」くらいの嫌味を言うネタ本になったのにな、この本も。
20年早くこの本が出ていれば!・・・って、20年前は、ジョブズも NeXT で落ちぶれてた頃か(^^;;;
「グロウブ号の冒険 附 ユートピア諸島航海記」 井上ひさし 著

さすがに井上ひさしは面白い。

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いや、そんなに井上ひさしを読んでいるわけじゃないんだけど、高校生の時、「吉里吉里人」はそれこそ寝る間を惜しんで無我夢中で読んで、けっこうな長編だったけどあっという間に読了したな。
もっと難しい本を書く人だと思ってたんで、そのエンターテイメント性の高い軽妙な文体は意外だったし、ものすごい知識に裏打ちされた「おふざけ」の底知れぬ面白さというのに引き込まれたものだ。

ま、でも、俺、基本的に中、高校生の時はアガサ・クリスティーとかの翻訳ミステリーばっか読んでたんで、それ以降もそんなに井上ひさしの本は読んでなかったんだけど(^^;
大人になってからは、共産主義者の本なんか読みたくなかったしな(笑)

しかし、久しぶりに読んだ「グロウブ号の冒険」はやっぱり面白かった。

・・・が、これ、未完なのである。

海賊が隠した宝を探す話なんだけど、暗号を解いて、隠し場所の特定が出来たところで・・・話は終わってしまうのである。未完で(^^;
「未完」の文字を見た時のショックときたら・・・(^^;

井上ひさし、何年か前に亡くなっているので、これ、もう永遠に物語は終わりません・・・

とほほほ・・・(^^;

これ、続いていたら相当面白い物語になったと思うけどなあ。それこそ、「吉里吉里人」を超えるほどの。
でも、未完。それだけに、何か心の中のもやもやが半端無い(^^;
こんな思いをするなら読まなきゃ良かった・・・

そう思ってしまうほど、面白い本なんだけどなあ・・・(^^;;;
「聖なる酔っぱらい伝説」酔っぱ研究段 W酒井+M 編・著

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これも、仕事で疲れた帰り道にだらだらと読もうと思って「軽い本」を借りてみたんだけど、失敗だった(^^;
まったくおもしろくねえ(^^;

一般人から送られてきた酒にまつわる失敗談をだらだらと並べて、その下に著者たちがコメントをつけているのだが、失敗談がまず面白くない。いや、面白い内容のものもあるんだけど、文章がなってないというか、話が下手な人が面白い話しても全然面白くないじゃん。あんな感じ。編集者がもうすこしなんとかしろよ(^^;

で、コメントがまた面白くない(^^;

「高校の同僚U先生は、昼休みになるとワンカップを飲みはじめる。アル中なんじゃ...と思ってたら入院という話に。どうやら生徒にいじめられてノイローゼになったようだ。」(まるお/26歳/教職)
という投稿エピソードもまったく面白くないんだけど、それに対するコメントも
「最近、教師による不祥事がよくニュースになってたりしますが、教師も飲まないとやってられないって感じですかね。大人は辛い!」って、普通ぅ~(^^;

なんか、お行儀の良いサラリーマンアナウンサーが昼の番組でしてそうなコメント(^^;
面白くねぇ~

ずっとこんな感じなのだ(^^;
上に書いているように、いじり方次第では面白くなりそうなネタもあるのに、編集力不足だな(^^;
「星座の物語と見つけ方 星座がもっと見たくなる ガールズ・スターウォッチング・ブック」駒井仁南子 著

20150107_hon1.JPG通勤電車で読もうと思って「軽い内容の本」を借りたんだけど、面白かったのであっという間に読了してしまい、通勤では使えず(^^;

いやあ、しかし、星座の話を読むのはもちろん初めてではなく、子供の頃から何度もその連想の基になった謂れに触れることはあったわけだけど、その度に思うのは「ゼウス、最低やな(笑)」ということやね。

この男、いや、まあ、ギリシア神の頂点に立つ全知全能の神なんだけど、全知全能の割には「恐妻家の女好き」という、その辺にいる愛すべきスケベ親父そのものよね。

ま、ギリシャ神話の男神はだいたいそんなもんやけど(笑)、ただ、ゼウスの場合は「スケベ親父」が異常な能力と権力を持ってるもんだから、全然「愛すべき」という部分は無くなって、日本人の倫理観からすると「ただただ最低なレイプ野郎」っていう最低のクズなのよね(^^;

ゼウス自身は「主神なので畏れ多い」という理由で星座にはなってないんだけど、でも、「ゼウスの化身」はいくつも星座になってて、そのほとんどが女絡み(^^;

例えば牡牛座。
これ、ゼウスが化けた牛なんだよね。
人間の女に惚れたゼウスが牡牛に化けてその女性に近づき、女性が背に乗ると、いきなり走り出して女性を連れ去ってしまう(^^; 誘拐やんけ(^^;(女性が自らついて行ったという説もあり)

それに白鳥座。
これもゼウスが化けた姿。この姿で恋する人間の女(スパルタ王妃レーダー)のもとに行き交尾して、レーダーに卵を産ませてる。人間の女に卵産ませるとかどんだけえ!!?(^^;

いやあ、ほんま、ゼウス最低やわ(^^;
さっきから「(^^;」この顔文字多用やわ、ほんま(^^;

あと、自分の星座の話も盛り上がるよ。
我が家でも、家族の星座の謂れをこの本読んで発表して、晩飯時にむっちゃ盛り上がったわ。

例えば嫁さんは「山羊座」なんだけど、この山羊、化け物が現れてパニックになった牧神アイギパーンが魚に化けてナイル川に飛び込んだんだけど、あまりにパニクってたんで下半身だけ魚、上半身は山羊のままという滑稽な姿になってしまった。それをゼウスが「お前、下半身魚やんけ!」と大笑いして、「むっちゃ笑わしてくれたんで星座にしたるわ」と空に上げてくれたという話。「何か、パニクって大騒ぎするところはお母ちゃんにそっくりやなあ」と子供とともに大笑いであった(笑)

ちなみに、俺は蟹座なんだけど、この蟹、巨大な化け物なんよね。
で、化け物仲間のヒュドラ(うみへび座)がヘラクレスにやっつけられた時、負けるとわかってるのにヘラクレスに飛びかかって行って、で、あっけなく踏み潰された友人思いの可哀想な蟹なんよね。
「良い奴やん。パニクった羊とは大違いや」と言って、嫁さんに睨まれたよ。

最後に。
こういう話の時、「ゼウスが女にだらしないのは、ゼウスが古代ギリシャを表しており、女と交わるというのは他の地域を征服した比喩であり・・・」みたいな話を持ちだして場を白けさせる、お前だ、お前。そういう野暮はやめておけ。
「ゼウスって、ほんまどうしようもないスケベなクズやのお(笑)」と言うておけばええんや(笑)
新年を迎えて、一番初めに悲しかったことといえば、「PANZERTALES WORLD TANK MUSEUM illustrated―ワールドタンクミュージアム図鑑」のことですな。

昨年の暮れに「WTMはモリナガ・ヨウのイラスト解説がたまらんよのお」というエントリーで書いた、モリナガ・ヨウ氏の戦車イラスト集ですよ。

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2005/9 に発行された本なので、Amazon でも中古本の扱いしかなくて。しかも、中古本だけど価格は新品の定価と同額販売で。マーケットプレイスでの出品なので送料の分だけ 2~300円新品より高くなっちゃうという(^^;
まあ、でも、新品は売ってないんだから仕方ないよな、変なプレミアム価格じゃないだけマシか・・・と自分を納得させたのであります。

そして、ポチった二日後、12/31 には手元に届いて、「やっぱ、面白れぇや、これ」と幸せな年末年始を送ったのです・・・が・・・

年明け 1/2 に「MARUZEN 広島店」に行ったら、普通に新品売ってますよ!しかも二冊!!

ネットでググっても、新品情報なんかなかったのに!!(検索結果の2ページ目以降は見てないけどな。そもそも、「新品あるんじゃねえか!?」って疑ってないし)

やっぱ、ネットで簡単に買い物できるようになったとはいえ、大きな本屋がある都会と、小さな本屋しかない田舎の差は歴然としてるな(^^;情報入手の難易度が。

悔しい!!

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