漫画じゃない本: 2008年10月アーカイブ

081017_021928.JPG図書館戦争のスピンアウト本です。

帯にも「ベタ甘全開」と書いてあるし、後書きでも作者が「ラブコメ仕様」と公言しているように、甘甘のべたべたラブリー物語となっております。

郁と堂上のバカップルが、至る処、至る状況でベタベタ、イチャイチャとしまくります。(笑)

うげー!読むに耐えられない。(笑)

もう、何というか、理想の男性像とか、理想のカップルのあり方とか、そういう作者の願望・妄想が大爆発です。読んでるこっちが恥ずかしいぃ~

作者は堂上や手塚を、あくまで恋愛下手な無骨で硬派な男に書きたいようですが(そんな男が好きな女の前で見せる素の優しさというのが作者のきゅんとくるツボなのでしょう)、男の俺らからみたら、いや、もう、全然。(--;
二人とも、何よりも「恋愛」を優先させる、スケベな軟派男にしか見えませんよ。
二人ろも、すげえ、女心を理解するしね。

例えば、女の前ではクールな態度を見せておいて、でも、記念日には忘れず花を贈るようなね。そういういやらしい男だったんだなあ・・・堂上は・・・と悲しくなってしまいます。
でも、こんなのが作者の理想なんだろうなあ。きゅんきゅん来ちゃうんだろうなあ。(笑)

ということで、作者自身も「ベタ甘仕様です。駄目な方は本気で回避してください。」と言っているように、本物の硬派であるわしらが読んではいかん本でした。
堂上さいてー(笑)

081009_223724.JPGしょっぱなのハイジャック事件から始まって、一見つながりはないような色々な出来事、事件が、最後にひとつの真実に結びついていく・・・という構成の物語です。

最初から新興宗教団体(明らかにオウム真理教と、髭面のデブ教祖がモデルです(笑))が何か悪いことをしているのがわかっているんですが、それが何なのか、また、それがどう明らかになっていくのか、非常にドキドキワクワクしながら読み進めることが出来ました。

途中で起きる不思議な出来事も、ちょっと無理すればそれだけで1本の作品に出来そうです。伏線もあちらこちらに散らばっています。なので、何度も前のほうに戻って読み返して、ああ、こういうことなのか・・・と。
この作者がえらく寡作なのも理解できます。

・・・が、そこまでワクワクドキドキしただけに、最後に暴かれた秘密もトリックも「あ、そう。ふーん」ってくらいの物足りなさで・・・残念・・・

まあ、黒幕が新興宗教団体ってだけで、動機が全て「狂ってるから」で片付いちゃうからなあ。(まさにオウム真理教が起こした数々の事件が、本人たちは色々考えて起こしたつもりなんだろうけど、実際は「教祖も信者も精神的に病んでたから」で片付いちゃうみたいな)
そのせいで、新興宗教団体を黒幕にすると、ラストの盛り上がりはどうしても尻すぼみになっちゃうんだよね。

推理の一つの魅力は、「どうして、あなたがこんなことを!?」みたいな部分にあるけど、新興宗教団体には「どうして?」という驚きを持ちづらいんだよね。基本的に教祖や信者が「狂ってるから」で終わっちゃうので。
だから、最後の最後に単なる「パズル解き」の物語になっちゃったんだね。残念。

081009_020951.jpgあの有名なドラマの続編。30年以上経ってますけど。(笑)

元ネタのドラマを見てない人でも十分楽しめる作品になってる・・・とは思うけど、やっぱりドラマを見てたか見てなかったかで、楽しさが全然違うと思うよ。
可能な人は、先に YouTube かなんかでドラマを見て、それから読むことをお奨めします。

だって、木暮修がホームレスになってて、賭ゲートボールに興じてるんだぜ。ドラマを見ていた人間からすると、その時点で「お?お?なんと!?え?こんな?ええ!?」みたいな高揚があるが、ドラマを知らない人からすると、「へえ、主人公はホームレスのじいさんなんだ」で仕舞いだもんね。

確かに、サスペンス(?)としてもそこそこうまく出来てます。
仲間のホームレスが殺されたことから、その犯人を見つけ出すため30数年ぶりに新宿に戻ってきた木暮修。そのため、ヤクザや国際自動車窃盗団、警察や政治家までをも巻き込んだ大騒ぎになっていきます。おもしろそうじゃろ?
でも、元ネタのドラマを見たら、もっと面白いぜえ。

それに、なつかしい顔ぶれ総出演という感じなので、30代になった典子はどの女優に演じさせればいいかとか、そういうことを考えながら読むのも一興です。

いやぁ、しかし、じいさんになっても、木暮修、格好悪く生きてますなあ。
ま、それが実際には格好良いんだけど。

ただ、あまりにラストがうまくまとまりすぎなのが何となく不満だな。

081009_020703.jpgあちゃ~ダブって買ってしまった。写真に2冊写ってるのは、前後編とかじゃなく、単純に同じ本を2冊買ってしまっただけのことであります。
1,800円、どぶに捨てたようなもんじゃねえ。

最近忙しくて全然本も読めなくて、でも、本って「あ、面白そう」って思った時に買わないと、後になると大概手に入らないんだよねえ。
なので、読まないままどんどん面白そうな新しい本を買っていくと、こういう惨劇が起きるわけやね。(^^;

さて、作品のほうの話。
伝統ある古い造り酒屋の跡取り問題がこじれて発生する連続殺人事件を描いた本作。
戦前に起きた殺人事件の謎も絡みつつ物語は進んでいきますが・・・読み始めて 100ページ足らずのところで、戦前の殺人事件で犯人が消え失せたトリック、わかっちゃった。
でも、それだと、日本刀で一刀両断というのは無理かな・・・とか思ってたんですが、いやあ、思ったとおりのトリックでした。

俺がすごい・・・のではなく、二階堂黎人の文章が下手・・・なせいですな。

フェアとアンフェアの狭間ぎりぎりのところで人を欺す。そういう文章が書けるようになれば、いっぱしの推理小説家・・・と言えるんでしょうが、二階堂氏の文章はそこまでは・・・

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