美術・芸術: 2017年5月アーカイブ

月丘夢路さんが亡くなったそうだ。

彼女がノーギャラで出演された「ひろしま」という原爆を扱った映画のワンシーンを見ていて、まざまざと脳裏に原爆直後の地獄絵図が蘇ってきた。

もちろん、俺は被爆者ではない。実際の地獄絵図を知っているわけではない。

4/21 に旧日本銀行広島支店の地下で開催されていた「広島平和記念資料館 収蔵資料展」を観たためである。

20170421_genbaku.JPG
現在、原爆資料館が改装中のためなのか、ひっそりとこんな展示会が行われていたのだ。
いや、ほんとに「ひっそり」で、平日の昼間というのはもちろんあるんだけど、訪れていたのは俺の他には一人だけであった。

その一室。被爆者がその時の状況を絵にしたものが何枚だったろうか、全部で十数枚?展示されていたのだが、まさに地獄絵図であった。
絵の上手い人もいるのだが、まるで小さな子供のようなたどたどしいタッチで、それでも、その時の記憶をなんとか伝えようと一生懸命書いたのがわかるような、そんな絵も多かった。
絵には、その人の証言も添えられている。例えば、黒い沢山の人型のものが書かれた絵には「黒焦げになった死体の山から、お父さんを見つけることが出来ました。妹と弟は見つけることが出来ませんでした」のような文が添えられている。

これらの絵には、「敵が攻めてくるかもしれんから、核をもてばいいじゃん」と簡単に口にしてしまう自分たちの想像力の無さをまざまざと思い知らされる。
いわゆる「ネトウヨ」と呼ばれる(俺もだけどな(笑))若者に体験してほしい展示だ。

悲しいことだが、未来永劫、この世の中から戦争(紛争)は無くならないだろう。しかし、皆が戦争(暴力)による痛みを共有できれば、その規模、頻度を減らすことはできるだろう。

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