いや、佐藤氏の写真技術はもちろん高いものがあり参考になるんだろうけど、俺は写真(他人に観てもらう作品という意味の写真)は大きく二つに分かれると思う。「被写体そのものの存在が作品になる写真」と「なんでもない被写体を技術で作品にした写真」である。
前者は報道写真(ピンボケだろうと決定的瞬間を捉えていればピューリッツァー賞は取れる)や佐藤氏が撮っている「普通の人は目にできない光景」など。秘境写真もそうだし、有名人の日常や、バックステージの様子を撮った写真など。
後者は「どこにでもある物や風景を構図や光の向き、露光時間、シャッタースピードなどを考え、駆使し、なんか感動的な絵面に仕立て上げたり、本来の価値以上のものに見せたり」という写真で、俺たち市井のアマチュアカメラマンが撮れるのは主にこっちだ。