いましろたかし氏の短編集である。
"逆島耕作"盆堀課長、才能もやる気も失った映画監督、ダウナーだけど、実は一番しぶとく生きている春山くん等、個性的だが、ある意味自分の姿と重なってしまうキャラクターたちの日常を描いた短編集。
大笑いできる箇所はひとつもない。
彼らはただ普通の生活を送り、そこにたいそうなことは何も起こらない。
「飲んでるとオッパイぐいぐい押しつけてくるぞ」と皆に聞いてた飲み屋に出没する65歳の痴女から何もされず、「俺が悪いんだな・・・どこか堅っ苦しいから・・・トホホ」と落ち込む映画監督の姿を見て、「65歳の痴女なんかに相手にされなかったからって悩むことかよ」と俺たちは笑ってしまうんだけど、俺ら、似たような恥ずかしいことを淡々と繰り返しながら日々を生きてるんだよな、実際。
普通の人の日常に起きるささやかな事件の「身も蓋もない」恥ずかしいオチに笑いながら、何か、身につまされる思いをしてしまう、そんな漫画です。
たいがいの人が「この程度の恥はかきながら生きてるんだよな」ということに気づかせてくれる、おつかれ気味のサラリーマン必読の書かもしれない。
電気ウナギ的○○
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電気ウナギ的○○