金曜日は久しぶりに広島市現代美術館に足を伸ばした。
以前うちから納品したPCが上手く起動しないという連絡があったので、比治山にあるお客さんのところまで行ったのだが、原因はPCを移動した時にお客さんがケーブルを一本つないでなかっただけの話しで、到着後 3分で解決。
時間が出来たのと、まあ、その脱力感解消のために(^^;、近くの現代美術館を訪ねてみた次第。
で、やってたのが、ス・ドホ展。
ス・ドホ氏は1962年生まれの韓国人アーティストで、繊細さとダイナミック感を併せ持つ作品が特徴的だ。
いや、ほんと。そのとおりの作品よ。
まず、入ってすぐ目につく「墜落星 1/5スケール」に心を掴まれる。
巨大なドールハウスのようなものだけど、その精巧さと 1/5 スケールの迫力に、マジ、いつまで見てても見飽きない。
芸術性云々抜きに面白い作品なので、こういうの、恋人どうしで見に行くと楽しいかもよ。
その「墜落星 1/5スケール」を展示してある部屋の壁にかかる「標本シリーズ」という作品も、これまた楽しい。
Tシャツや靴の本物とそのミニチュアを並べた作品だが、これも芸術性云々の前に、ミニチュアの精巧さに興奮する。
今回の作品群は、(カルマ(業)を扱ったものなど、難解なものも勿論あるんだけど)割とアート素人にも素直に感動出来る作品が多くて、上にも書いたが、友人や恋人と連れだって来ると楽しいと思うよ。
あと、次の部屋で「アメリカ合衆国ニューヨーク州 10011 ニューヨーク市 348 西 22番通り アパート A、廊下と階段」という、布(蚊帳のようなシースルーの布)で実物大の建物を再現した作品の、これまた繊細さ(何せ、蛇口や配電盤のスイッチのひとつひとつまで、全て布を縫って作成)とダイナミックさを楽しみつつ地下に下りると、そこでまた強い感動に包まれる。
それまで、作品の「見た目の魅力」を単純に楽しんで来たのだが、ここに展示されている作品群は作品の向こうにあるス・ドホ氏の複雑な心の中を自然に推量させられる。
特に、「Some/One」という膨大な数の軍隊の認識票(ドッグタグ)をつなげて作った鎧にも見える軍服の迫力は凄まじいもので、それが表しているのが「力の賛美」なのか「戦争の悲しさ」なのか、はたまたまったく別の何かなのかわからないが、ただ、その迫力に圧倒されながらも、必死にそこからス・ドホ氏の思いを読み取りたいという欲求がわき上がってくる。
「何か、芸術作品見ながらアレコレそれが何を表現しようとしているか考えるってのが苦手。だから現代アートってヤダ」みたいに思っている人は、是非、「入門編」としてこの「Some/One」を見てみるといいかも。
自然に、何かを考えさせられる作品です。
ということで、このス・ドホ展はお奨めです。
今回は、午後からの仕事のことを考えて 1時間くらいでパパパッと見て歩いたのと、「Some/One」が実は作品の上を歩いてみてもよかったのを後で知ったってのもあって、少し心残りもある。
もしかしたら、もう一度俺も行くかもしれんよ。
電気ウナギ的○○
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電気ウナギ的○○