田舎者なので一人で飲み屋に入るのは未だに苦手で、それでも立ち飲み屋や焼き鳥屋で独り酒というのはたまにすることがあるのだが、さすがにチェーンの、それも激安を謳うような居酒屋に一人で入ったことはなかったのである。
・・・が、ついに行ってしまった。
ほら、広島は火曜日が休みの店が多いから。その火曜日の残業後、晩飯食おうと思ったんだけどいつも行く店はことごとく休み。新規開拓しようとした居酒屋2店も客多し(やっぱ、他の店が休みなのでそうなるんだろうなあ)
十日市界隈を彷徨い続けた俺は、とうとう「喜笑家 くすくす 十日市店」を訪ねたのである・・・
いわゆる激安居酒屋チェーンである。岩国にも「ニパチ」があるが、あんな感じ。
実は十日市の電停の真ん前にあるので以前から気になっていたのだけど、「ニパチ」に良い印象を持ってないもんだから、ついつい同じ系統の「喜笑家 くすくす」も敬遠していたのである。どうせ不味かろうと。
が、そうでもなかったな。
「すみませーん・・・一人でもいいでしょうか?」とペコペコ頭を下げながら入店すると(ええ、自分でも卑屈過ぎたと思います)、俺の他に客は3組ほど。アベック2組と、カウンターで独り呑みしているオヤジだけ。なので、俺は窓際の4人席に通される。
そして、茶髪の兄ちゃん(いかにも休日は彼女とマジックマッシュルームをキメてそうな感じ)から熱心に「食べ飲み放題コース」について説明される。22時頃に独りでやってきたサラリーマン風のオヤジが、2時間食べ飲み放題 3,300円とか注文するかぁ!?と思いつつも、一人で激安居酒屋にいるという後ろめたさから話を最後まで聞き、「あ、いや、単品注文でいいですから」と断って、それから一気に目についた料理とビールを注文して、やっと俺は一息つくことが出来た。
読みかけだった文庫本をカバンから出し、運ばれてきたビールと料理を味わいながら読む。あー、幸せ。
この店、表の看板にはやたらと「280円」と書かれているが、実際には 380円の品が多い(笑)
実際、この日注文した品も、「生ビール」380円、「ボロニアソーセージ4種盛」280円、「唐揚げネギおろしポン酢」380円、「厚切りベーコンの炙り」380円である。
280円なのは一品だけやないけ!看板、「380円」に変えぇや!とか思いつつも、それは顔には出さず、静かに綾辻行人の推理小説を読みつつ、美味しく料理をいただきました。
てか、確かにソーセージなんかも「美味ぁーー!」と言うほどではないけど、「え?これで 280円!?」と思っちゃう感じで、つまりコスト的には大変満足のできる料理であった。
例えば、「ニパチ」では「うわ、なんか今ひとつ。でも、280円でこれなら、まあ、いいか・・・」という「消極的な280円料理満足感」なんだけど、ここは「おお、これで280円か!!これで280円なら大満足や!」という「積極的な280円料理満足感」である。同じように「280円だから」満足しているんだけどニュアンスが違う(^^;
ところで、この店のバイトの兄ちゃんたちは皆マジックマッシュルーム臭がするんだけど(笑)、マジックマッシュルームをやってる兄ちゃんの中にも「働き者のマッシュルーム」と「怠け者のマッシュルーム」が居て、ここの兄ちゃんたちは皆「働き者のマッシュルーム」で好感が持てた。
敏感に「こいつ、こうして晩飯代わりにこの辺の飲み屋で独り呑みしてる単身赴任者じゃねえの?」と感じ取ったのか(ちょっと間違ってるけど(^^;)、バイトリーダー的なマッシュルームが「この辺りにお住まいですか?」とか探りを入れて来たので、「そうだ。仕事帰りに晩飯代わりにこの辺で飲むことが多いのだ」と答えると、なんと店の外まで出て見送ってくれた。
仕事熱心だなあ。休日はマジックマッシュルームでトリップしてるくせに!
また行きます(笑)
電気ウナギ的○○
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電気ウナギ的○○