「グロウブ号の冒険 附 ユートピア諸島航海記」 井上ひさし 著
さすがに井上ひさしは面白い。
いや、そんなに井上ひさしを読んでいるわけじゃないんだけど、高校生の時、「吉里吉里人」はそれこそ寝る間を惜しんで無我夢中で読んで、けっこうな長編だったけどあっという間に読了したな。
もっと難しい本を書く人だと思ってたんで、そのエンターテイメント性の高い軽妙な文体は意外だったし、ものすごい知識に裏打ちされた「おふざけ」の底知れぬ面白さというのに引き込まれたものだ。
ま、でも、俺、基本的に中、高校生の時はアガサ・クリスティーとかの翻訳ミステリーばっか読んでたんで、それ以降もそんなに井上ひさしの本は読んでなかったんだけど(^^;
大人になってからは、共産主義者の本なんか読みたくなかったしな(笑)
しかし、久しぶりに読んだ「グロウブ号の冒険」はやっぱり面白かった。
・・・が、これ、未完なのである。
海賊が隠した宝を探す話なんだけど、暗号を解いて、隠し場所の特定が出来たところで・・・話は終わってしまうのである。未完で(^^;
「未完」の文字を見た時のショックときたら・・・(^^;
井上ひさし、何年か前に亡くなっているので、これ、もう永遠に物語は終わりません・・・
とほほほ・・・(^^;
これ、続いていたら相当面白い物語になったと思うけどなあ。それこそ、「吉里吉里人」を超えるほどの。
でも、未完。それだけに、何か心の中のもやもやが半端無い(^^;
こんな思いをするなら読まなきゃ良かった・・・
そう思ってしまうほど、面白い本なんだけどなあ・・・(^^;;;
電気ウナギ的○○
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