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広島市現代美術館で特別展「1945年±5年」を観た

shinoda (2016年9月21日 13:44)
と言っても、もう 1ヶ月以上前の話だ(^^;

8/12。お盆休みを取ってたんだけど、急遽 FS の仕事が入って市内に出てきたんで、作業が終わったあとでちょっと広島市現代美術館に寄ってみたら、7/30から「1945年±5年 戦争と復興:激動の時代に美術家は何を描いたのか」という特別展をやっていた。

「1945(昭和20)年を境にして、その前後それぞれ5年間の日本の美術をとりあげる展覧会」(Webサイトより)であった。
戦争によって、日本の美術の何が変わり、何が変わらなかったか・・・である。

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まあ、色々な見方はあるし、ちゃんと研究をされている人は俺とはまったく違う意見なのかもしれないけど、「基本的に何も変わってねえ。社会は変わったかもしれんけど、もともと芸術家なんて頭のネジがぶっとんだやつばかりだから、戦前も戦後も、やっぱり大事なネジが抜け落ちてる変人であり、変人が己の欲望の発露として描く美術作品は何も変わってねえ」と思った。

ただ違うのは、1943~1945年の間くらい。
戦争は本当に果てしない負のパワーをもった恐ろしいものなんだなあと実感。なにせ、美術家/芸術家というキチガイでさえ、このわずか 2~3年の、もっとも激しい戦争の期間だけは、どこまで本人の意思が介在していたかは別として、お国のため、戦意高揚のための作品を産み出している。

戦争は恐ろしく愚かなものだと再認識。美術家につまらない作品を描かせる大いなる時間の無駄だ。

・・・が、今回俺が一番強く思ったのはそんな「だから戦争反対!」的なつまらない(語弊があるんだけど、真面目に本意を説明し始めるとすごく文字数を取るので「つまらないとはなんだ!」と腹が立つ人は勝手に腹を立てててください:-P)ものではない。

俺たちが想像している以上に、戦前から日本にはポップでカラフルな芸術が存在してたんだなあってこと。戦前の作品のアバンギャルドさに単純に驚いたんだわ。

間に第二次世界大戦という不幸な時代を挟んでいるので、ついつい俺たちは明治維新から昭和初期までの近代を全て「暗く不幸な時代」と考えてしまいがちだが、そんなことはまるでなくて、「可愛い色を使った絵」や「ゲイジュツハバクハツダー!!と絶叫しながら描いたやろ?」というようなアバンギャルドな作品まで、今の日本のイラストレータや画家が描くような絵は、昭和初期にはもういくつも生まれでてきていたのだ。
明るくポップだったり、あまりに自由であったり、そういう作品を見て「今の時代だからこその」なんて言うのはホントは間違いなんだってことに気付かされる。

まあ、「アバンギャルド」という「前衛、先駆け、革新的」を表す言葉が人口に膾炙されたのは、ヨーロッパでは第一次大戦直後のことだから、当然戦前の日本にも「アバンギャルド」な作品が満ち満ちていたことは、本当は驚くことではないんだろうけどね。

美術館としては「戦争前後の美術の変化の提示」が主テーマなんだろうけど、俺は単純に 70年くらい前から今と変わらない作品が実はたくさん存在していた。そういうしょうもないことに感動した作品展でした。

ま、美術展なんて、観たヤツが感じたことが、それが「真」であり「正義」だから。
それでいいのだ。

ところで、「随分前の話を今更書かれても・・・。ほんじゃ観に行ってみるかって思っても、もう展示は終わってんでしょ?」と思ったあなた。ところがどっこい、この特別展、10/10までやってます。興味を持った人は広島市現代美術館までどうぞ。

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岩国在住。広島で働く超零細IT企業社長のいわゆる社長日記。
何か、酒と食い物のことばかり書いているようで・・・お察しのとおり、肥満体です:-)


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