俺も人生の半分は広島で過ごして来たので、つまり、俺の身体の半分はお好み焼で出来ている。残り半分は・・・あれ?山口県東部の人間のソウルフードってなんじゃろ?
ま、その件については今後の検討課題ということで、なにはともあれ、玖珂の廣島堂が閉店して以来、俺はお好み焼欠乏症なのである。
特に、最近は(ちょうど開発案件がピークで、パソコンの前からほとんど離れないので)広島に出る回数も減り、なかなかお好み焼を食べに行く機会がないのである。
というわけで、この間、広島銀行岩国支店に行った帰りに「そば玉や」に昼飯食いに行ってみたのである。
・・・平日昼間はやってなかったよ・・・(^^;
んが、すぐ側の角をイエローハット方面に曲がると「お好み焼 こじま」の看板発見!迷わず飛び込んだ。
・・・そしてすぐに後悔した。(^^;
確かに、昼飯時は外していたが、客は酔っぱらったじいさんが一人。漫画雑誌などは無く、置いてあるのはしわくちゃのスポーツ新聞だけ。何か、老朽化して傾いた鉄板と雑然とした厨房・・・この店、やってるんだよな?と一瞬不安になった。
それでも、鼻に入ってくるオタフクソースの香りには抗えず、鉄板のあるカンターに座り、取りあえずお好み焼の「ぶた肉入りやきそば」600円なりを注文。
熱いお茶をすすりつつ、さて、おばちゃんの手際でも観察するか・・・と鉄板に熱い眼差しを向ける俺の前で、いきなり細切れのキャベツと小麦粉をボールの中でかき混ぜ始めるおばちゃん。
あれ?あれあれ???・・・
俺、確かに「そば入り」って注文したよな?「そば入り」って広島風ってことじゃなかったのか?これって関西風のお好み焼じゃん・・・と戸惑う俺の前で、おばちゃんはその「お好み焼の具」を鉄板の上で焼き始めた。その横で焼きそばを炒める。お好み焼の上に豚肉を置き、ひっくり返してしっかり焼く。そして、その上に炒めた焼きそばが載せられ、ソースと青のりがかけられたら完成だ。
・・・こ・・・これは、懐かしの「広島焼き」じゃないか・・・(^^;
この世に、「広島焼き」というお好み焼は存在しない。あるのは「広島風お好み焼」だけである。
では、「広島焼き」とは何か?
今でこそ、コンビニで普通に「広島風お好み焼」が売られているが、わしらが若い頃、今から20年近く前には、コンビニに「広島風お好み焼」は無かったのだ。
「広島風お好み焼」がマイナーな存在だったというより、機械を使って大量生産する技術がまだ当時は無かったんじゃなかろうか。
で、代わりにあったのが「広島焼き」である。
それは「関西風お好み焼」の上に焼きそばが載っただけのものだった。何となく広島風のお好み焼に似てるけど、実のところ全然別物。まあ、「広島」と付けている辺りが、広島風お好み焼と混同させちゃおうという意図が見え見えのパチもんだった。
さすがに、最近コンビニで見ることはなくなっていたのだが・・・
そして・・・熱々の広島焼きは美味かった(笑)。あの、コンビニで買って帰った後、「なんじゃこれ?お好み焼とちゃうやんけ!?」と広島人を怒らせてきた広島焼きではなく、鉄板の上で焼かれたばかりの熱々の広島焼き。これはなかなかいけた。
確かに、千切りではなく細切れにされたキャベツや、生地に包まれていないお好み焼は決して「広島風」のそれではないが、ソースとマヨネーズと青のりがかかった熱々のそいつをヘラで口に運ぶと、それはそれでアリではないかという気がしてくるのだ。
「よかったらどうぞ」と(多分、余り物だろうが)熱々の味噌汁を出してくれたのだが、これもなかなか美味かった。
ということで、十分満足して俺はお金を払って店を後にしたのである。
最初はどうなることかと思った「こじま」体験だったが、いやいや、これがなかなか。
・・・でも、やっぱ、あれは広島風お好み焼ではなかったな(^^; 広島風お好み焼が食いたい!という俺の欲望は決して満たされていないのであった。
ああ、岩国で広島風お好み焼が食いてぇ~!!
電気ウナギ的○○
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電気ウナギ的○○