漫画じゃない本: 2023年12月アーカイブ

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この間読んだ「D列車で行こう」は広島県が舞台だったが、まったく広島である必然性を感じられず、広島県民として消化不良だった。いや、わし、山口県民だけど(笑)

というわけで、今度こそ広島が舞台で、その必然性のある小説を読むことにした。
その本は「ほくほく広島ごはん 割烹ダイニング花桃の細腕繁盛記」(宮嶋貴以 著)。昨日読了。

ちなみに、この本も買ったのは何ヶ月も前である(^^;;;

流川にある小料理屋が舞台。前の経営者から店「割烹ダイニング花桃」を引き継いだものの、前の女将のファンだった常連客が少しずつ離れていき、経営が悪化していくのを止める術が思いつかない三十歳の若い女将が、神社で記憶喪失の青年を拾うところから物語は始まる。

その青年が調理の心得があり、女将と二人で新しいメニューを考え、店の経営がだんだんと回復していく話である。単純に言うと(笑)

そのメニューが「広島菜」「三原のたこ」といった素材や「美酒鍋」「うずみ飯」などの広島の郷土料理をもとにしたものである。ちゃんと広島の話だ(笑)

話の途中から「花桃」の悪口を口コミサイトに書き込んだり、色々な妨害を行うやつが出てくる。こいつとの戦いも話のもうひとつの軸だ。この犯人を捕まえるために周りの人たちが協力して解決に向かっていく。すっかり皆、二代目女将とその店のことが好きになっているのである。

女将と記憶喪失の男は一緒に新しいレシピを考え、協力して店をまわしていくうちにお互いをかけがえのない存在と認識し、そこに少し恋愛の気持ちも湧いて・・・。
また、女将や店のピンチをいつも救ってくれる地元交番の警察官も、女将に好意を持ち始めているな・・・
あと、記憶喪失の男も記憶を蘇らせつつあるような・・・

・・・というところで物語は終わっている。こりゃ、続編出すつもりだな(笑)
なんか、風呂でのんびり読むのに適したほのぼのとした物語なので、続編出たら読むけどね(笑)

RCCあたりが「◯周年記念ドラマ」とかにすればいいのに。主演は・・・ゆっくり考えてみる(笑)
途中まで読んで数ヶ月間放置していたのだが、最近また読書癖が戻ってきたので復活。読了した。

「D列車で行こう」(阿川大樹著)である。

廃線予定の広島県の第三セクター鉄道「山花鉄道」を存続させるために二人の熟年男性と、元部下の女性の三人が奔走する話・・・である。

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本屋で「お、D列車で行こうって、ジャズの名曲『A列車で行こう』からとったんか?ミュージシャンの話か?」と手に取ったら全然違う話だったんだけど(^^;、舞台が「広島県」ということだったので興味を持って購入した。

今の仕事に悩んだり違和感をおぼえていた元官僚、都銀の元支店長、その部下の三人がふとしたきっかけで「山花鉄道」が廃止されることを知り、その存続のために色々ビジネスを仕掛けていく話である。

タイトルの「D列車」の「D」はドリーム(夢)の「D」であろう。作中で三人が作る会社の名前が「ドリームトレイン」だからな(笑)

近所の小学校の絵を駅に飾って子の親や親戚縁者が列車に乗る機会を作ったり、町名と同じ名の楽器メーカーとコラボしてバンドコンテストを開催したり、野菜の車内販売を始めたり、まあ、細々した仕掛けをしていくのだが、どれもこれもうまいこと成功していく(笑)
いや、アイディアは良くても、なかなか上手くいかんもんだけどね、実社会では。

多分、このあたりで「話が上手く行き過ぎて現実味がなくて面白くない」と読むのをやめる人はけっこういるんじゃないか?なにせ、問題なのはただひとつ。「山花鉄道」の社長でもある山花町長が再建に協力してくれないことだけなのだ。あとは本当に話がトントン進んでいく(笑)

最終的に、三人が一番実現したかった「アマチュア運転士に実際に路線を走らせるビジネス」がスタートし、町長も「本当は俺だって再建したい」と本音を語ったところで話は大団円。

結局、これといった苦労はなく(若き女社長がセクハラを受けたり、官僚がまともに相手にしてくれなかったりってことはあったけど)三人の夢が実現する。

まあ、上にも書いたように、現実にはどんなに良いアイディアであっても、(多くの場合は相手の決裁権限を持った担当者がアホなせいで)実現が頓挫してしまうことが多い。
でも、そんなひねくれた指摘をせずに、ハッピーエンドを楽しめばいいんじゃない・・・という小説である。

ただ、最後まで広島県が舞台である必然性は感じられなかった(笑)
読み終わってから、「そういえばコレ、広島県が舞台じゃったわ」と思い出したくらいである(^^;。山花鉄道みたいな規模の鉄道、広島にある?福塩線?だ(笑)

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