漫画じゃない本の最近のブログ記事

20231216_book1.jpg

この間読んだ「D列車で行こう」は広島県が舞台だったが、まったく広島である必然性を感じられず、広島県民として消化不良だった。いや、わし、山口県民だけど(笑)

というわけで、今度こそ広島が舞台で、その必然性のある小説を読むことにした。
その本は「ほくほく広島ごはん 割烹ダイニング花桃の細腕繁盛記」(宮嶋貴以 著)。昨日読了。

ちなみに、この本も買ったのは何ヶ月も前である(^^;;;

流川にある小料理屋が舞台。前の経営者から店「割烹ダイニング花桃」を引き継いだものの、前の女将のファンだった常連客が少しずつ離れていき、経営が悪化していくのを止める術が思いつかない三十歳の若い女将が、神社で記憶喪失の青年を拾うところから物語は始まる。

その青年が調理の心得があり、女将と二人で新しいメニューを考え、店の経営がだんだんと回復していく話である。単純に言うと(笑)

そのメニューが「広島菜」「三原のたこ」といった素材や「美酒鍋」「うずみ飯」などの広島の郷土料理をもとにしたものである。ちゃんと広島の話だ(笑)

話の途中から「花桃」の悪口を口コミサイトに書き込んだり、色々な妨害を行うやつが出てくる。こいつとの戦いも話のもうひとつの軸だ。この犯人を捕まえるために周りの人たちが協力して解決に向かっていく。すっかり皆、二代目女将とその店のことが好きになっているのである。

女将と記憶喪失の男は一緒に新しいレシピを考え、協力して店をまわしていくうちにお互いをかけがえのない存在と認識し、そこに少し恋愛の気持ちも湧いて・・・。
また、女将や店のピンチをいつも救ってくれる地元交番の警察官も、女将に好意を持ち始めているな・・・
あと、記憶喪失の男も記憶を蘇らせつつあるような・・・

・・・というところで物語は終わっている。こりゃ、続編出すつもりだな(笑)
なんか、風呂でのんびり読むのに適したほのぼのとした物語なので、続編出たら読むけどね(笑)

RCCあたりが「◯周年記念ドラマ」とかにすればいいのに。主演は・・・ゆっくり考えてみる(笑)
途中まで読んで数ヶ月間放置していたのだが、最近また読書癖が戻ってきたので復活。読了した。

「D列車で行こう」(阿川大樹著)である。

廃線予定の広島県の第三セクター鉄道「山花鉄道」を存続させるために二人の熟年男性と、元部下の女性の三人が奔走する話・・・である。

20231213_book1.jpg
本屋で「お、D列車で行こうって、ジャズの名曲『A列車で行こう』からとったんか?ミュージシャンの話か?」と手に取ったら全然違う話だったんだけど(^^;、舞台が「広島県」ということだったので興味を持って購入した。

今の仕事に悩んだり違和感をおぼえていた元官僚、都銀の元支店長、その部下の三人がふとしたきっかけで「山花鉄道」が廃止されることを知り、その存続のために色々ビジネスを仕掛けていく話である。

タイトルの「D列車」の「D」はドリーム(夢)の「D」であろう。作中で三人が作る会社の名前が「ドリームトレイン」だからな(笑)

近所の小学校の絵を駅に飾って子の親や親戚縁者が列車に乗る機会を作ったり、町名と同じ名の楽器メーカーとコラボしてバンドコンテストを開催したり、野菜の車内販売を始めたり、まあ、細々した仕掛けをしていくのだが、どれもこれもうまいこと成功していく(笑)
いや、アイディアは良くても、なかなか上手くいかんもんだけどね、実社会では。

多分、このあたりで「話が上手く行き過ぎて現実味がなくて面白くない」と読むのをやめる人はけっこういるんじゃないか?なにせ、問題なのはただひとつ。「山花鉄道」の社長でもある山花町長が再建に協力してくれないことだけなのだ。あとは本当に話がトントン進んでいく(笑)

最終的に、三人が一番実現したかった「アマチュア運転士に実際に路線を走らせるビジネス」がスタートし、町長も「本当は俺だって再建したい」と本音を語ったところで話は大団円。

結局、これといった苦労はなく(若き女社長がセクハラを受けたり、官僚がまともに相手にしてくれなかったりってことはあったけど)三人の夢が実現する。

まあ、上にも書いたように、現実にはどんなに良いアイディアであっても、(多くの場合は相手の決裁権限を持った担当者がアホなせいで)実現が頓挫してしまうことが多い。
でも、そんなひねくれた指摘をせずに、ハッピーエンドを楽しめばいいんじゃない・・・という小説である。

ただ、最後まで広島県が舞台である必然性は感じられなかった(笑)
読み終わってから、「そういえばコレ、広島県が舞台じゃったわ」と思い出したくらいである(^^;。山花鉄道みたいな規模の鉄道、広島にある?福塩線?だ(笑)

081017_021928.JPG図書館戦争のスピンアウト本です。

帯にも「ベタ甘全開」と書いてあるし、後書きでも作者が「ラブコメ仕様」と公言しているように、甘甘のべたべたラブリー物語となっております。

郁と堂上のバカップルが、至る処、至る状況でベタベタ、イチャイチャとしまくります。(笑)

うげー!読むに耐えられない。(笑)

もう、何というか、理想の男性像とか、理想のカップルのあり方とか、そういう作者の願望・妄想が大爆発です。読んでるこっちが恥ずかしいぃ~

作者は堂上や手塚を、あくまで恋愛下手な無骨で硬派な男に書きたいようですが(そんな男が好きな女の前で見せる素の優しさというのが作者のきゅんとくるツボなのでしょう)、男の俺らからみたら、いや、もう、全然。(--;
二人とも、何よりも「恋愛」を優先させる、スケベな軟派男にしか見えませんよ。
二人ろも、すげえ、女心を理解するしね。

例えば、女の前ではクールな態度を見せておいて、でも、記念日には忘れず花を贈るようなね。そういういやらしい男だったんだなあ・・・堂上は・・・と悲しくなってしまいます。
でも、こんなのが作者の理想なんだろうなあ。きゅんきゅん来ちゃうんだろうなあ。(笑)

ということで、作者自身も「ベタ甘仕様です。駄目な方は本気で回避してください。」と言っているように、本物の硬派であるわしらが読んではいかん本でした。
堂上さいてー(笑)

081009_223724.JPGしょっぱなのハイジャック事件から始まって、一見つながりはないような色々な出来事、事件が、最後にひとつの真実に結びついていく・・・という構成の物語です。

最初から新興宗教団体(明らかにオウム真理教と、髭面のデブ教祖がモデルです(笑))が何か悪いことをしているのがわかっているんですが、それが何なのか、また、それがどう明らかになっていくのか、非常にドキドキワクワクしながら読み進めることが出来ました。

途中で起きる不思議な出来事も、ちょっと無理すればそれだけで1本の作品に出来そうです。伏線もあちらこちらに散らばっています。なので、何度も前のほうに戻って読み返して、ああ、こういうことなのか・・・と。
この作者がえらく寡作なのも理解できます。

・・・が、そこまでワクワクドキドキしただけに、最後に暴かれた秘密もトリックも「あ、そう。ふーん」ってくらいの物足りなさで・・・残念・・・

まあ、黒幕が新興宗教団体ってだけで、動機が全て「狂ってるから」で片付いちゃうからなあ。(まさにオウム真理教が起こした数々の事件が、本人たちは色々考えて起こしたつもりなんだろうけど、実際は「教祖も信者も精神的に病んでたから」で片付いちゃうみたいな)
そのせいで、新興宗教団体を黒幕にすると、ラストの盛り上がりはどうしても尻すぼみになっちゃうんだよね。

推理の一つの魅力は、「どうして、あなたがこんなことを!?」みたいな部分にあるけど、新興宗教団体には「どうして?」という驚きを持ちづらいんだよね。基本的に教祖や信者が「狂ってるから」で終わっちゃうので。
だから、最後の最後に単なる「パズル解き」の物語になっちゃったんだね。残念。

081009_020951.jpgあの有名なドラマの続編。30年以上経ってますけど。(笑)

元ネタのドラマを見てない人でも十分楽しめる作品になってる・・・とは思うけど、やっぱりドラマを見てたか見てなかったかで、楽しさが全然違うと思うよ。
可能な人は、先に YouTube かなんかでドラマを見て、それから読むことをお奨めします。

だって、木暮修がホームレスになってて、賭ゲートボールに興じてるんだぜ。ドラマを見ていた人間からすると、その時点で「お?お?なんと!?え?こんな?ええ!?」みたいな高揚があるが、ドラマを知らない人からすると、「へえ、主人公はホームレスのじいさんなんだ」で仕舞いだもんね。

確かに、サスペンス(?)としてもそこそこうまく出来てます。
仲間のホームレスが殺されたことから、その犯人を見つけ出すため30数年ぶりに新宿に戻ってきた木暮修。そのため、ヤクザや国際自動車窃盗団、警察や政治家までをも巻き込んだ大騒ぎになっていきます。おもしろそうじゃろ?
でも、元ネタのドラマを見たら、もっと面白いぜえ。

それに、なつかしい顔ぶれ総出演という感じなので、30代になった典子はどの女優に演じさせればいいかとか、そういうことを考えながら読むのも一興です。

いやぁ、しかし、じいさんになっても、木暮修、格好悪く生きてますなあ。
ま、それが実際には格好良いんだけど。

ただ、あまりにラストがうまくまとまりすぎなのが何となく不満だな。

081009_020703.jpgあちゃ~ダブって買ってしまった。写真に2冊写ってるのは、前後編とかじゃなく、単純に同じ本を2冊買ってしまっただけのことであります。
1,800円、どぶに捨てたようなもんじゃねえ。

最近忙しくて全然本も読めなくて、でも、本って「あ、面白そう」って思った時に買わないと、後になると大概手に入らないんだよねえ。
なので、読まないままどんどん面白そうな新しい本を買っていくと、こういう惨劇が起きるわけやね。(^^;

さて、作品のほうの話。
伝統ある古い造り酒屋の跡取り問題がこじれて発生する連続殺人事件を描いた本作。
戦前に起きた殺人事件の謎も絡みつつ物語は進んでいきますが・・・読み始めて 100ページ足らずのところで、戦前の殺人事件で犯人が消え失せたトリック、わかっちゃった。
でも、それだと、日本刀で一刀両断というのは無理かな・・・とか思ってたんですが、いやあ、思ったとおりのトリックでした。

俺がすごい・・・のではなく、二階堂黎人の文章が下手・・・なせいですな。

フェアとアンフェアの狭間ぎりぎりのところで人を欺す。そういう文章が書けるようになれば、いっぱしの推理小説家・・・と言えるんでしょうが、二階堂氏の文章はそこまでは・・・

このアーカイブについて

このページには、過去に書かれたブログ記事のうち漫画じゃない本カテゴリに属しているものが含まれています。

前のカテゴリは漫画です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

2023年12月: 月別アーカイブ

月別 アーカイブ

電気ウナギ的○○ mobile ver.

携帯版「電気ウナギ的○○」はこちら