お前、アル中患者の一生を面倒みてやれるの?って話

前回のエントリーで「酒を他人に無理強いするのは、お前の無能さの現れなんだからやめておけ」という話を書いた。
これには 1%の例外もない。酒を部下や後輩に無理強いするヤツは 100%無能である。常識も無いし、酒の力を借りなければビジネスもコミュニケーションもまともに成果をあげられないということを自白してるわけだからな。この無能め!これは、町の土建屋の社長でも、電通の部長でも一緒。全員無能。

あ、ちょっと話が横にそれるけど、「宴会を開く」ことは悪いことじゃないと思うよ。

例えばあるチームを立ち上げた時、短時間にメンバー間のコミュニケーションを深める場として「宴会」は有効だ。こういうのに参加したがらないヤツがいるけど、それは参加するべきだ。お前が参加しないことで、他の人はお前との少ないやり取りの中でお前という人間を理解していく苦労をすることになるわけだから。
会議と一緒だ。半強制的に参加させてもいい。ただし、酒を飲まない、飲めない人間への配慮はちゃんとするべき・・・ということである。

で、話を戻すが、そういう「自分自身の無能を晒すことになるんだから、無理強いはやめておけ」という「お前自身のために」的なことの他にもうひとつ。「相手を不幸にするから、無理強いはやめておけ」という理由がある。

流石に「肝臓に色々見つかりまして。アルコールは一滴も駄目って言われてるんです」とまで言えば酒をすすめる人間はほぼいないが、ここまで相手に言わせることはプライバシーの侵害である。
ここまで説明させなくても、相手が「医者に止められてまして」と言ったらそこで酒をすすめるのはやめろ。そこから更に「なんで?」と聞くのは、本当に卑しい人間だ。

それに、「医者に止められている」その理由が、アルコール中毒によるものかもしれない。
なかなか宴会の場で「実は私はアル中で」なんて言えない。
だからアル中患者はたいがい「ちょっと医者に止められてまして」とか「家族から止められてまして」くらいの表現で酒を断る。それを理解して、相手が「止められてまして」と言えば一切飲酒をすすめない・・・これがまともな大人の行動だ。

でも、そもそも今時他人に飲酒を強要しているヤツなんて、揃いも揃って馬鹿ばかりだから、「アルコール依存症」、いわゆるアル中への理解も乏しいんだろうな。

多分、肝臓の問題ではなく、アル中だから酒を止めていると聞いた馬鹿ジジィは、「なんだ、アル中か。肝臓でも壊しているのかと思った。だったら今日だけ、いや、一杯だけなら大丈夫だろう。乾杯のビールだけでも呑みなさい。それからまたキッチリやめればいい」となるのだ。

愚かすぎて泪が出てくる。

アル中は、アル中と診断されたら、あとは「一生、一滴の酒も飲まず生きていく」しかないのだ。「滴度な量の酒」も駄目。「一滴も飲まない」以外の選択肢はないのである。
それを知らない無知なジジィや上司が「一杯だけならいいだろう」と酒をすすめるのである。アル中患者に。
一滴でもアルコールを身体に入れたアル中患者は、ほぼ全てが「再び連続飲酒」の地獄に戻っていく。

アル中を「毎日酒を呑む、酒好きな人」程度に認識している馬鹿が多すぎる。
アル中患者とは、

    • 一度飲み始めたら、気を失うなど、限界まで飲み続ける(連続飲酒)。
    • クスリや煙草の依存症は身体の病気だが、アル中は心の病気なので一生完治しない。死ぬまで「飲酒衝動」と戦い続けないといけない。
    • 酒を抑制する薬やカウンセリングに頼らないと、一度連続飲酒が始まったら本人の意思ではどうにもならない。

というものだ。「まあ、一杯くらいいいだろう」とお前が飲ませた一杯のビールのせいで、その夜から、そのアル中患者は再び毎晩失禁、時には脱糞して気を失うまで酒を飲み続ける。地獄の日々が再開するのだ。

「いや、だから、それって本人の意思次第だろ?意思が弱いから連続飲酒してしまうんだろ?」と言ったお前、本当に無知を恥じろ。アル中は心の病だと言っただろう。厳密に言えば脳の分泌物異常とかなんだろうが、「うつ病」などと同じ「心の病」なのである。ニコ中やヤク中とは根本的に「依存原因」が違うのである。

20171117_sake.JPG馬鹿なお前だって、「うつ病」が自分の意思で治せるものじゃないってことくらい知っているだろう?「うつ病」は治ったように見えても、それは「小康状態」にあるだけで、いつでも再発する危険がある。アル中も同じなのだ。意思が強かろうが関係ないのである。もう一度言うが、「意思の力で完治する」ニコ中やヤク中とは違うのだ。

煙草や覚醒剤がやめられない人間に「お前は意思が弱い」というのは正解だ。意思が弱い以外に「やめられない」理由はないからだ。
例えば煙草を止めた人間に、一本だけ煙草を吸わせても再びすぐに喫煙習慣が復活することはない。身体の問題なので、「再び依存症になる量」というのがあるのだ。
アル中は違う。例えば連続したストレスがなくても、何気ないたった一言で再び「うつ病」が再発するように、アル中は「たった一杯」、いや、本当に「楽しそうに呑んでる同僚の姿と酒の匂い」だけでも再発してしまうものなのだ。

そんな病気を、アル中患者は抗酒剤を飲んだり断酒会に参加したりして、必死で抑えているのだ。その努力を無にするのが「たった一杯の酒」なのである。

ここまで説明しても、まだ「でも一杯くらいなら」と思っている馬鹿なジジィや駄目部長がいるのはわかる。

「アル中はうつ病と同じ心の病」「うつ病を自分でコントロールできないように、アル中患者も自分で飲酒衝動を抑制することはできない(病気であって、自分の「意思の強さ」は関係ない)」「アル中患者に適正な飲酒量というものは無い」という説明で理解できないってことは、お前は「うつ病」などの心の病に対してもまったく無理解で、「あいつの心が弱いせいだ」とか頓珍漢な差別ばかりしてるんだろうなあ。

一回、アル中になってみたら?
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コメント(2)

こんにちは。以前たこ坊主のところでコメントさせて頂いたものです。

それからブログいつも楽しく読ませてもらっています。
特に立ち飲み屋に興味があって、いつもブログを参考にさせて頂いております。

またたこ坊主の内容で申し訳ないのですが、この内容を読んであの店のことを思い出したので、コメントさせて頂きます。

私が親しい友人と訪れた際、彼はほぼ下戸でビールが飲めないと店主にいうと、店主に男のくせにビールも飲めないのかと怒鳴られていました。

そして私はうつ病ではないのですが、命にかかわる精神疾患があり、昨年から仕事を長期で休んでいます。昨年、あの店のラーメンは好きだったので、少し症状が落ち着いたときにたこ坊主に行ったのですが、店主から怠け者、働け、甘えるな、嫁をはたらかせ何しとんだと責められまくりました。一言で悪化させると書かれておりますが、一言どころではありませんでした。

外からは健康に見えるので何もわからないと思い、症状を説明すると、お前は会話できるからそんなことはないとか、精神科医の先生が常連でいてその人から話をいろいろ聞いてるからわしのいうことは間違えない、わしはカウンセラーになれるとか、そんなことで病気じゃとかいっとたら、わしは店を閉めんといけんじゃろうが!!! と切れられました。

店主の恫喝のせいで症状はかなり悪化し今でも苦しんでいます。
しかし、本人はその時、わしは正しいアドバイスをしてやった、誰かがいってやらんといけんじゃろ!! と超どやがおでした。

しかも店主が少し話しましたが、別のお客さんがうつ病にかかり、昨年自ら命を絶ったそうです。本人はわしがもっと何かしてやれなかったのか・・といっていましたが、原因は明らかだなと思います。

電気うなぎさんのアル中の話で、自分がもし死んだら責任とれんのかよと思いました。
本当に好き勝手言って無責任極まりないと思いました。
以前書き込みした、考えを押し付けてくるとはこういうことです。

私も飲み会の席で酒を飲ませてくる、うっぷんをはらしてくる上司は大っ嫌いなので、電気うなぎさんの文章をよんでこころが軽くなりました。
そして、うつ病のところも、自分はたこ坊主を含め周りから偏見でみられることがあるので、悩みがありましたが、電気うなぎさんのような考えをお持ちの方がいてとてもうれしかったです。
ありがとうございました。

長文大変失礼いたしました。
これからもブログ拝見させて頂きたく存じます。

こんにちわ。
マジですか?(^^;;;
なんか凄すぎて、にわかには信じられない話ですが・・・(^^;
たこ坊主の大将から直接反論を聞いてみたい気がしますね。

しかし、本当だとすると「男のくせにビールが飲めないのか」はひどいですね。
そもそも、「酒が飲めるかどうか」なんて体質の問題で、人間、大事なのは「心」ですから、アルコールの分解能力なんて何の人間的価値もありませんよ(笑)
まあ、俺自身は肝臓強いと思いますが、そんなことを自慢しなくても、もっと自慢できることがたくさんありますよね、普通。それを「俺は酒が強い」と自慢するなんて、他に何の価値もない糞人間なんだろうなあと思いますわ(笑)

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このページは、shinodaが2017年11月30日 10:56に書いたブログ記事です。

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