この間、「花の坊」で食べた蕎麦が美味かった。
「暮坪そば」と言うのだそうで。
最初、俺らが串揚げを肴に酒を飲んでいると、店に予約の電話が入ってきたのだが、なんか大将が変なことを言ってる。
「ええ、海原雄山が名付けた蕎麦なんです。」と。
「暮坪そば」という名前が聞き取れたので、何気に店内を見渡すと、壁に「暮坪そば」の貼り紙が。ただ、残念なことに「要予約」となっている。そうか、それは残念だ。電話を終えた大将に、「暮坪そば」に関して聞いてみると、
大将「海原雄山って人がいるでしょ?」
俺「ええ。(漫画のキャラだけどな)」
大将「あの人が名付けた蕎麦が、暮坪そばなんです。」
俺「へえ・・・。(「あの人」って?(^^;漫画のキャラに、あの人って?(^^;)」
・・・て。益々興味わくやないか。
俺は物語の中に度々出てくる、如何にも「誤った戦後民主主義教育」の犠牲者のような雁屋哲の思想が嫌いで、「美味しんぼ」は「どうでもいい」作品の一つでしかないが、大将と話してると本当に海原雄山という有名な美食家がいて、その彼が絶賛しているのなら「暮坪そば」というのは相当美味いのだろうな・・・と思えてくるから不思議だ。
いや、海原雄山なんて実際には存在してないけどな(^^;
で、本当は予約しないと駄目なんだけど、二人分くらいなら材料もなんとかなるからということで、特別に作ってくれることになった。
どうも、薬味に「暮坪かぶ」を使うものを「暮坪そば」と言うそうである。海原雄山がそう名付けた。(笑)
別名、「山葵大根」と呼ぶそうで、普通の辛味大根のピリピリした辛味に山葵の風味が加わった味。それがおろした状態で薬味としてついてくる。
さっそく、それをつゆにまぜ、蕎麦を(ちょんづけではなく大胆に)つゆにくぐらせ一気に啜り上げる。
うっまぁ~
本当に山葵の風味がする。
凄く上品な山葵の香り。でも、味が弱いというわけではない。辛味大根のようなピリピリとした辛味はしっかり舌に残り、うん、なんだ、これは、もう、舌の上で静かに、それでいて力強く雅楽が奏でられているかのような感動。
「私は蕎麦屋ではないので、ゆで加減とかは勘弁してください」と大将は謙遜していたが、麺の茹で具合は問題なかった。ちょっと柔らかめかな・・・とも思ったんだが、決してグダグダになっているわけではなく、それにあのくらいの方が蕎麦猪口の中のつゆにたっぷり麺をつけるには良い。
それに、麺の選択も良い。俺は蕎麦に詳しくないのでよく分からないが、普通の蕎麦より一回り細い麺を使っている。これも、「暮坪かぶ」のまざったつゆをしっかり絡ませるには良い太さだと思った。
つーことで、海原雄山が実在しているかのように語るのは少し心配だったが、花の坊の大将は良い仕事してるぜ!ああ、このブログ書いてたらまた食いたくなった(^^;
予約すっかな。
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