一昨日は2日ぶりに自宅に戻ったので、食後は優雅に映画鑑賞を楽しんだ。
いや、家に帰ったのは 22時過ぎだったので、それから飯食って風呂入って、全然優雅に楽しんでる場合じゃなかったんだけど(^^;
しかも、リビングのTVは嫁さんに占拠されていたので、書斎のパソコンにて細々鑑賞という・・・(^^;
俺「ティーガーIが出てくる映画借りてきたで。見ようや」
嫁「は?戦車なんか別に見とうないわ!」
・・・と(^^;
観たのは「ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火」。ええ、戦車がいっぱい出てくるロシアの映画です。
この辺から映画の内容に触れることを書くので、これから見ようと思ってる人は注意ね。
詳細は公式サイトでチェックしてもらうとして、ざっくりストーリーを説明すると、「第二次世界大戦の東部戦線(ドイツvsソ連戦)。ドイツの敗色濃厚な中、ソ連兵から『ホワイトタイガー』と呼ばれ恐れられる神出鬼没のティーガー戦車が単体で次々とソ連の戦車部隊を破っていく。そうして白虎に壊滅させられた部隊の生き残りの戦車兵(全身やけどから脅威の回復を見せ復活)が、白虎退治にその身の全てを捧げる」という話。
この主人公の男(記憶喪失で自分の名前も思い出せず、仮にイワン・ナイジョノフ(発見されたイワンの意)と名付けられる)が「戦車と話をできる」「食事もほとんど取らない不死身の男」というSFちっくな設定で、ホワイトタイガーも神出鬼没な魔物的描かれ方をされていて(結局最後まで正体わからんし)、純粋な戦争映画ではない。
SFちっくというかファンタジーって言った方がしっくりくるか。
まあ、ホント、とにかく話がわけわからん(^^;
戦車戦のシーンは、主砲発射時の音がしょぼくてブローバックもしないことを除けばなかなかリアルで迫力あるし、IV号戦車(「シュルツェン」ついてるG型以降のタイプだけど、俺、そんなにマニアじゃないんで実際のタイプはわからず(^^;)なんかも出てきて面白いんだけど、とにかく思わせぶりで伏線みたいなシーンばかり出てきて(しかもそれが収束されず(^^;)わけわからん。
最後の方は終戦協定に出向いたドイツ軍の元帥たちが、無条件降伏文書への調印式で屈辱的な扱いを受けたり、その後、物置みたいな部屋で食事を取らされたり、そんなシーンが延々続き、最後までもう二度と戦車戦のシーン無し(^^;
ホワイトタイガーも最後の戦いで砲塔に直撃弾を浴びて火を吹きながらも、森のなかにじりじりと後退していってそのまま行方不明だし。
戦闘シーンでは戦場のいたるところに身体がちぎれたり黒焦げになった凄惨な死体が転がってて、反戦の意の強く込められた映画って印象を最初は持つ。ホワイトタイガーが「戦いと破壊の象徴」、イワンがそれを打ち破る「平和の象徴」として描かれ、最後にイワンが勝利することで「平和バンザイ!」というオチなんだろうなあと思ってた。
ところが、ホワイトタイガーとイワンの戦いは引き分けで終わるし(とどめを刺そうとしたイワンの装甲強化型「T-34/85」の砲塔が破裂し、まるで神はホワイトタイガーの味方をした、あるいは「勝負など最初からつかない運命」を示唆するかのような展開)、戦いを終わらせる役目かと思っていたイワンが、ドイツとの戦いが終わった後も「ホワイトタイガーを仕留めるまで俺は戦い続けまっせ」みたいな好戦的な態度をとって上官を戸惑わせるし、結局、「人と人の戦いは終わらない。人の持つ好戦的な性根は消せない」という絶望的な真理を呈示している作品なのかなっと。
最後にヒトラーが言う「世界の皆がユダヤ人を嫌っていたし、陰気で不機嫌なソビエトという国を恐れていた。そんな人々の思いをドイツは体現しただけの話だ」みたいなセリフにも、「人の心の暗部」を色々考えさせられる。
いやあ、ほんま、難しい映画だわ。
でも、ホント、戦車好きは見て損は無い映画でっせ。
黒焦げになった戦車兵の姿を見たら、「ラブ&ピース」と思わずにはおられないからな(^^;
※ただし、「ホワイトタイガー」はちょっと格好悪いです。フェンダーは妙にごっついし、履帯にはシュルツェンついてるし(^^;
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