ひろしま美術館「川端康成 珠玉のコレクション展」

9/19の敬老の日は、別に俺がおじいちゃんとして敬老されたわけではないが(決して!)、嫁に一人広島に遊びに出ることを許された。

ここ数年、お客さんのところに常駐しているので、以前のように「ちょっと息抜きするか」と自由に美術館に足を伸ばすことも出来ないでいる。
なので、そんなに興味を喚起されていたわけではないのだが、ひろしま美術館でやっていた「川端康成 珠玉のコレクション展」を覗いてみることにした。
広島で一人自由な時間というのはなかなか持てないからなあ。

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ノーベル賞作家の川端康成は、熱心な美術蒐集家でもあった。
「私は美術品の良し悪しを語れる知識も眼も持ってない」と自ら語っていたが、実際には川端が購入するまでは大して評価されていなかった作品が、彼の購入後、国宝に指定されたケースも一度ならずあったようで、美術品を見る目は相当高かったようである。

川端のように特にテーマを決めず、良いと思ったものは絵であろうが彫刻であろうが、日本画であろうが洋画であろうが尽く収集していた人のコレクション展は、雑多な作品を一度に観れるのが魅力なのだが、自分の琴線に響くものと出会えなかった場合、とたんに退屈なものになってしまう。
残念ながら、今回のコレクション展は俺にとってそういう内容だった。

会場では、熱心に、それこそ一心不乱に作品を凝視されていたり、時には感嘆の声を漏らす人の姿をたくさん眼にした。あの人たちにとっては素晴らしい作品展だったのだろう。
そんな作品に出会うことが出来たことが羨ましい。

もちろん、つまらない作品ばかりだったということではない。
「なんだ!これは!?」という「ある一線を超えた感動」を与えてくれるまでの作品には出会えなかったというだけの話だ。
こればかりは個人の「嗜好」の問題なので如何ともしがたい。

そして、名作と呼ばれるものには、興味の有る無しを超えて観た者に迫ってくる何かがある。気に入らなくても気になる作品はいくつかあった。
30点近くの展示があった東山魁夷の作品群は見応えがあったので、さらに彼のことをもっと掘り下げて紹介した、彼の作品展をぜひ観てみたいと思ったし、古賀春江などの作品を知ることが出来たのも収穫だった。

まあ、ほんと、久しぶりに目の保養にはなりました。

<余談>
ちなみに、広島県立美術館でまさに今やっている東山魁夷展に、このコレクション展のチケットを持っていくと入場料から 100円引いてくれるらしいよ。
運営母体の違う美術館で協力し合うのって何か良いね。

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このページは、shinodaが2016年9月20日 13:47に書いたブログ記事です。

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