今日、氷室ヶ岳麓の田んぼの横に設置した害獣駆除用の罠(もちろん、きちんと設置許可を得た正式な罠)に親子の猪が入ったという連絡があったので、親父と二人で出動。
途中で近所のおいさんも加わって三人で駆除(まあ、殺しちゃうことです)をすることにした。
俺は猟師だし駆除隊員でもあるし、親父たちも日頃猪に悩まされているわけで、猪を殺すことには躊躇は無い。躊躇するんだったら最初から罠しかけたり、猟に出たりはしないわけでね。
このエントリーで難しい話をする気はないけど、猟にはハンティングを楽しむというレジャー的な意味よりも「人と触れ合う獣の数を調整する(人間にとってというだけではなく、対象の獣にとってもなんだけど、これも自称「動物好き」な人とこのエントリーで議論をする気は無い)という意味の方が、特に日本国内の猟では強いわけで。
躊躇するどころか、ある種の責任感ももって事にあたっているわけ。
でも、やっぱり人間なので色々考えるところはあるわけですよ。
例えばこの親子の猪も殺しちゃうわけだけど、子猪の前で親猪の首にナイフ突き刺して殺しちゃうのはねえ・・・とか。首の動脈にナイフ突き刺された猪はシャワーのように血を撒き散らしながら暴れるからね。で、だんだん弱っていって最後に横たわるんだけど、それをずっと子猪に見せてるのもねえと思ったんですな(^^;
まあ、結果的にこれが良くなかった。やっぱ、そこは「仕事」として冷徹に行うべきだった。
猪の親子愛っていうのは強くて、子猪なんか、親の側を絶対離れないからね。
なもんで、子だけ小さい罠に追い込もうとしたんだけど全然入ってくれなくて、仕方ないんでもう諦めて小さい罠を仕舞おうとしたスキをついて親猪に逃げられてしまった・・・という。
はぁ・・・落ち込むわあ。猟師として。
<反省点>
- 親猪は 70kgクラスのけっこうな体格のヤツだった。こういつヤツの入っている罠を開けて子猪だけ子罠に移動というのがそもそも無理。
- 子罠がまた糞仕様の罠だった。扉がスライド式ではなくドア式なので、子罠の高さの分だけ親罠の扉を開けないといけない。そのため、子罠とベニア板で塞いでないと親猪も余裕で通れる状況に。スライド式の子罠なら、子猪しか通れない高さにしか親罠の扉を開ける必要はなかったんだけど。
- 俺一人で子罠を押さえるのと、子罠以外の部分を塞ぐベニア板を押さえる両方の役目をしていた。そのため、子罠の扉を閉めた瞬間に親猪に突進され子罠がずれてその隙間から逃げられた。近所のおじさんにベニア板を任せて、俺は子罠の上に乗るなりしとくべきだった。
- 子罠を閉めて親罠の扉を閉じるまで、親父に槍で親猪を突かせ注意を向けさせておくべきだった。「もう無理じゃけえ子罠はずせえや」と言いつつ親父が槍を抜いたとたん、親猪がこっちに突進してきた。
あと、最初に「一度には殺せんのんじゃけえ、子猪は別の箱に移してから親を殺そうで」と言い出したのは俺なので、ほんま、馬鹿な同情をしてしまったと、これが一番の反省だなあ。どうせ殺してしまうんだから、一番成功率の高いやり方を選ぶべきだった。
それと、扉がスライド式ではない子罠を見た時、これじゃあ扉を親猪が通るくらい開けんといかんので危ないのお・・・と思ったのに、ついつい上記のような子猪への中途半端な同情心から作業を中止することが出来んかった。本来なら、あの罠を見た時に「これじゃあ無理じゃ」と親父に言うべきやった。
ああ、ほんま反省ばかりや。
同じ猟師仲間から笑われるのは覚悟の上で、記録として残しときます。
うわ~~~~!
親イノシシに襲われずに済んでよかったですね!
遮蔽物無しに70kクラスは恐怖以外の何物でもありません。
今度からは変な同情心など捨てて鬼になってくださいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
いや、ほんと、こっちが殺されるんで、もう同情などしません。
というか、これでまた近くの田んぼに猪被害が出たらほんとに申し訳ない。
猪が突進してきて俺が足乗せて押さえてた罠がずったせいで、家に帰ってみてみたら膝の皮がむけてましたよ、罠がずれた時に擦れて(^^;
どんだけの勢いでぶつかってきたんやぁとゾーっとしました。
次は一刺しです。(オヤジが俺お手製の槍を折っちゃったので、新しく作らないと・・・)