「鉄華」で「阿部勘」と「雨後の月」を味わう

「4月になったら土橋に戻るんで、また帰りにちょくちょく寄るねえ」なんて言うておきながら、実際には 4月に一度だけ。そして先週が 5月になって初めて訪店であった。

「鉄板焼 鉄華」ね。

そんな風にたまにしか顔を出さないというのに、すっかり「日本酒を飲んでいく人」と認識してくれているようで、店に入るとすぐに店主が入荷したばかりの日本酒を薦めてくれる。

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この日は、まず小さな黒板に手書きされていた「阿部勘 純米吟醸 KAERU aromatic 2018」(宮城県)を。精米歩合 55%の酒。一升瓶で実売 3千円くらいだから、そんなに高い酒ではないね。ラベルの蛙の絵がかわいい(笑)
肴には「大根のビール漬け」を。380円也。

「阿部勘」は俺にはちょっと辛いんだけど、そのキリっと辛い奥からじわじわと甘味が出てくるような酒。
純米吟醸なので、吟醸酒ほどではないんだけど、でもしっかりフルーティーな香りも楽しめる。
いいんじゃないすか。うまい。
「阿部勘」なんて銘柄、初めて知った。「鉄華」には日本全国の美味い酒を教えてもらって本当に感謝である。

次に店主が薦めてくれたのが「雨後の月 満月・FULLMOON」(広島県)。毎年、4月の満月の日に発売される酒だそうである。といっても、ググってみると昨年から出荷され始めたばかりの酒のようだが。

実は広島の酒はあまり口に合わないというか、多分、20年以上の広島生活の中で、安い広島の酒ばかり呑んでいたので、心のどこか奥底で「広島の日本酒」がトラウマになっているのか(^^; あまり口にすることがない。

しかし、店主から「まだメニューにも載せてないんですけど、ぜひ」と言われては呑むしかあるまい(笑)

早速、コップに注いでもらった冷酒の香りをかぐ。柑橘系?のずいぶんさわやかな香り、甘酸っぱい感じかな?・・・がする。
ふむふむ。悪くはないな・・・と思いつつ口に含んだ瞬間驚いた。

「ん?これは・・・セメダイン?」
そう。いわゆる酢酸エチル臭であるセメダインのような香りが口の中に広まったのである。

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同じフレーバーな酒を思い出した。日本酒ではない。粕取り焼酎である「獺祭 焼酎」だ。
あの焼酎も、米の香りとともに、強いフルーティーな香りがあって、その香りが強すぎてセメダイン臭のように俺は感じてしまう。セメダインの香りを薄くしていくと柑橘系の香りに近づくと言うから、逆もまたしかりなのかもしれない。

ただ、しばらく口に含んでいると、じわっと干しぶどう・・・とはちょっと違うけど、その系統の濃厚な甘味が沸いてくる。
これが、「鶏肝の煮込み」480円也とよく合う。濃い「煮込み」の味にぜんぜん負けない。

というわけで、この日も今まで口にしたことのない酒を楽しむことが出来た。鉄板焼屋で(笑)

「もう、鉄板焼屋の日本酒の品揃えじゃないね」と店主を褒めると、「いや、彼女のおかげです」と給仕の女性を手で示す。「彼女が日本酒の仕入れとかしてくれてて」と。ああ、それで、この間も「美味しいお酒がありますよ。」と仕入れたばかりで封も開けていない「北島」を店主を差し置いて(笑)薦めてくれたんだな。

いやあ、「鉄華」、日本酒好きにはたまらない鉄板焼屋ですぞ。(そういえば、俺、鉄板焼メニューを全然頼まずに日本酒ばかり呑んでるけど、いいのかな?(^^;)

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このページは、shinodaが2018年5月15日 22:16に書いたブログ記事です。

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