「ATOK は重い」と言うてる馬鹿

ええと、今、MacBook Pro 上の Windows の FEP を Google 日本語入力に変えた話を書いてるんだけど、別に「ATOK が重い」とか「機能的に劣っている」から変えたわけではなく、理由はただひとつ、「辞書の内容」に不満があるから・・・なのです。

具体的には、さっき友人に「獺祭のかわうそ寄席がさあ・・・」みたいなメールを書こうと思ったら、「獺祭」が変換できなかったから(^^;

まあ、2008年に買った ATOK なのでその頃は「獺祭」の認知度もすごく低かったんだろうからこれはしょうがないことなんだけど、ただ、以前から ATOK の辞書には不満があったので、とうとう「獺祭」問題が ATOK を捨てる引き金になった・・・ってことなんだな。

いや、まあ、ユーザー辞書に登録すればいいことだし、長年育て上げてきた自宅 PC のユーザー辞書を持ってきてインポートすれば問題無いんだけど、最近のジャストシステムという会社の「思想」が気に入らないというのもあって・・・(Microsoft もなんだけど)

最近の ATOK では(MS-IME でも)、「盲(めくら)」や「気狂い(きちがい)」という言葉は変換できない。所謂「差別語」や「不快語」と呼ばれるものだ。MS-IME は変換できてたけど、結局 ATOK に続いたようね。やっぱり「盲」や「気狂い」は変換できない。
しかし、どちらも大概の国語辞書に載っているちゃんとした言葉だ。それを他人に対して発した時のみそれは(差別かどうかは別として)「攻撃のための道具」となる。

この言葉が、例えば小説の一節に「その老婆は私に向かって、この盲が、あっちへ行けなどと攻撃的な言葉を浴びせてきたのでありました」のように出現したとしても、この文章が誰かに向けられた差別では決してないし、これによってこの文章の中の老婆に不快感を持つ者はいるにしても、この文章に対して「盲という言葉を使っている。けしからん」等と不快感を持つ者は相当特殊なバカタレ以外におらんだろ。
「盲」という言葉は差別的だとして、「その老婆は私に向かって、この目の不自由な人が、あっちへ行けなどと・・・」と書いたほうが不快だし、駄作臭がぷんぷんだろう(笑)

しかし、ジャストシステムは「そういうバカタレから文句が来たらいやだから」という、まさに最近のマスメディアの「自主規制」とまったく同じ愚かな考えから「国語辞書にも載っているちゃんとした日本語」を自社製品から排除しているのである。愚かな。

これを「非難を浴びるリスクを企業が避けるのはあたりまえ」といって擁護する人もいるが、ちゃんちゃらおかしい。
「転倒して怪我をしたら文句を言ってくる人がいるから、うちの自転車には大人用にもコロをつけています」というレベルの話だ。

そもそも、日本語入力の FEP の辞書に「差別用語(ではないけどな、実際)が入っているから○○な問題がある」と「まともな論理」で文句を言ってきた人間がどれほどいたというのであろうか。ほとんどが、単なる感情論で、ATOK の辞書に「気狂い」が入っていることで、具体的にどう精神疾患を抱えた人を差別することになるのか論理的に説明できた人なんかいないだろうに。
精神疾患を抱えた人が「気狂い」という単語が ATOK の辞書に入っていたためにショックを受けた・・・ということなら、そこでショックを受けることがおかしなことだということを、その人に納得させることが本来我々がやらなければならないことだろう。

「でも、最終的にどう判断するかは企業の自由で、勝手だろ」と言う人もいるが、そりゃまあ勝手である。ただ、「ATOK は糞」「ジャストシステムはあれだけワープロや FEP で稼いでおいて、言葉に対するリスペクトがまったくない馬鹿」と周りが評価するのもまた勝手であり、「で、ATOK が辞書から差別用語を排除したことで、ATOK の売上はどれだけのびたの?」「何か、社会貢献になったの?差別が減ったの?」という当然の疑問も出てくるわけだわな。
それに、ATOK は「日本語入力」という、いわゆるシステムの「インフラ」を担当するソフトウェアだ。

夜更かしは身体に悪い。だからと言って中国電力が「お宅はいつも遅くまで電気がついてますね。身体に悪いので、お宅への電力供給は夜9時で切りますね」と言われても納得できないだろ?ATOK の差別語問題というのは、つまりそういうことだ。

だから今回、MS-DOS の時代から 30年近く使ってきた ATOK を捨てることにしたのだ。

決して「重い」とか「機能不足」ではない。
あ、方言に関してもちょっと弱いかな。Google 日本語入力は「買うて(こうて)」も変換するが、ATOK はしないな。MS-IME でさえ変換できるのに。まあ、その辺は単語登録でどうとでもなるし、そもそもそういう思想だんだろうな、ATOK は。ユーザーが辞書を育てていくという。
でも、育てる前のディフォルトの状態でも、「盲」「気狂い」などの「ちゃんとした日本語」は使えて当然。
何がちゃんとした言葉か?そんなことジャストシステムの社員はしっかりわかってるでしょう。「盲」って「ちゃんとした日本語」じゃないの?

で、やっと表題の件に戻ります(笑)

ええと、ATOK のことを「重い」とか言って嫌ってる人いるけど、そういう人はちょっと信用できない。はっきり言って、Windows についてくる MS-IME の方がよっぽど重い。

ATOKを「重い」と言ってる人が別の軽い FEP を使っていれば、「ああ、この人にとっては ATOK が重いんだな」と納得できるけど、その人が MS-IME なんか使ってたら、「ああ、こいつはネット上や馬鹿な友達からの『ATOK は重い』というガセ情報を聞いて、自分でしっかり検証することもなくそれを信じて、えらそうに『ATOK は重いから駄目』とか言うてるアホやな」と思う。

以前、Facebook 上でそういう話をしているヤツがいたから、なにげに「それ、単なる噂でしょ?」「自分で使ってみたことないでしょ?」と聞いてみたら、「会社で使ってて、糞重かった」とか「友達の PC で使ったことがある」とか(笑)

アホや~

少なくとも、何年か同じようなスペックのマシンで ATOK と MS-IME を比較してから言えよ。
俺は自宅(自社)では ATOK。客先に常駐したら MS-IME(Microsoft Ofiice IME 等も)という生活を 10年以上送ってきて、同じようなスペックのマシンで ATOK が IME より重いと思ったこと一度もないわ。
多分、お前らは「スペックの低いマシン」で ATOK を重いと感じただけで、そのマシンで MS-IME を動かしたら、やっぱり重かったはずやで。

・・・え?「ことえり」の方が軽い?
そりゃ子供用のおもちゃの自動車と本物の自動車を比較して、こっちが軽いから最高!とか言うてるのと一緒や(笑)

「いや、DOS 時代、あきらかに ATOK より VJE の方が・・・」嘘つけぇ(笑)そんな違いなかったわ(笑)

まあ、そういう「ちゃんと比較したわけでもないのに、ネット上の話や、仲間内の噂話を信じてアレコレ言う」馬鹿がおるでぇという話。

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コメント(2)

ATOK2017ですが、私の環境ではMS-IMEより重いと感じるときがあります。
クラウド辞書でプチフリするのは論外(非同期処理にすべき)としても、それ以外でも、変換候補を出すときや確定するときにプチフリすることがあって不快です。たとえ再現率が数パーセント程度でも、日用では試行回数がとても大きくなるので、それにともなってストレスも溜まります。
Core i7 M620にメモリ4GBはラップトップとしてはそう悪くないスペックだと思っていたのですが、この記事によると、ATOKを使うのには低性能のようです。ゲーミングマシンにメモリ64GBくらいつんでる人用のIMEなのでしょうね、きっと。
公式で案内されている対処法が、推測変換をはじめとして特徴的な機能をオフ(ちなみに全部試しましたがまだ重いです)にするものであったりするあたり、機能を盛りすぎだと思います。新商品として売り出さないといけないマーケティング上の事情のために、マルチタスク環境で動作するソフトウェアとしてのあるべき姿がないがしろにされているように感じます。『広辞苑』や『大辞林』を入れれば回避できる言葉狩り問題よりも、ソフトウェアデザインの思想の欠如の方が、実用面では困りものです。

すんません。一昨日までバタバタしてて全然レスれてませんでした。

そうですか?MS-IMEは快適に使えてるけど、ATOKは固まることがある?
環境によってはそういうこともあるんですねえ。
でも、同じく会社の 4MB メモリのノートでは時々 MS-IME が数十秒もプチフリしちゃう(日に何度も)状態です。IMEというのはそういうもんなんでしょう。

ちなみにATOKは最近まったく使ってないので、ATOK2017の重さというのはわからんですねえ。ジャストシステムも糞会社なんで、どんどん悪くなっていってる可能性も高いんだろうなあと思いますが。

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このページは、shinodaが2016年5月10日 15:07に書いたブログ記事です。

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