最近知ったが、一部の地域では俗に言う「養護学級」のことを「複式学級」と呼んでいたそうである。しかも、複式学級の本来の意味を知らず、「複式学級」というのは(養護学級の児童に対する差別心から)差別用語として捉えていたという人が少なからずいるようで呆れる。
いや、そういう誤解をしていた人間にではなく、その親を始めとする周りの大人たちにだ。場合によっては教師たちまでそう呼んでいたというのだから・・・狂気すら感じる。
多分、一般の授業を受けるのに支障が出るほどの身体や知能の障害を持っている子が集められた教室を、「養護学級」や「特殊学級」「特別教室」などと呼んだが、一部の大人たちはその呼称に違和感を持ち、(養護学級は通常、小学校なら1~6年で1クラス、中学なら1~3年で1クラスという具合に、複式学級の形を取ることが多かったことから)「複式学級」などという言葉で呼んだ・・・というのが真実だろう。
実に欺瞞に満ちた態度である。言葉だけ言い換えて、この大人たちは何に満足したのだろう・・・。この大人たちがしないといけなかったのは、あるがまま正しい名称を使い、そうやって健常者と教室を分けることの是非、彼らへの差別心を持つことの過ちと恥、そして一番良い健常者と障害者の交わり方を模索することだったのではないか。
そもそも、「養護学級」や「特殊学級」「特別学級」という呼称に差別的なものを感じたということは、そこの児童・生徒に、この大人たちが差別心を持っていたことに他ならない。
「養護学級」のことを「複式学級」と言うのだと未だに信じている人たち、恥じなさい。それはつまり、あなたの親が、そうしたきちんとした議論から逃げていたことを証明しているのです。
あなたたちは自分の子供に「私の親の世代(団塊の世代か?)は勝手な言葉の言い換えをして『見ないといけない真実』から目を反らしてきた。そのひとつが『複式学級』という呼び方なの」ということからきちんと説明する責任があります。どうせ、あなた自身も間違った「複式学級」の意味を子供たちに教えていたでしょ?
本来の複式学級のことについて色々書きたいのに、世の中にこういう間違った認識をしている人がいると何だかなあ・・・と思って書いてみた。
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