「今度は愛妻家」
ベタな恋愛物をちょっと引いた目線で撮らせたら敵無しの行定勲が、俺の好きな豊川悦司と薬師丸ひろ子を主演に添えて撮った映画なんだから、そりゃ、観に行かんといかんじゃろう。
つーか、かつて薬師丸ひろ子主演の角川映画を楽しんでいた世代にとっては「税金」のような作品だ。「観に行くのが義務」である。(笑)
ということで、午前中いっぱい休みをもらって MOVIX 周南に観に行ってきたのである。
やっぱ、あれだねえ、薬師丸ひろ子は良いねえ。映画業界人の中にも未だにファンが多いというのも頷けるね。確かに小じわは増えたし、肉付きも若干よくなっているが、基本的に「角川映画の三人娘」だったときと変わってないよ。基本が。人間がしっかり形成されてるんだ。
話自体は「失って初めてわかる伴侶の大切さ」系の「良くある話」で、まあ、ベタな夫婦愛の話なんだけど、あまり話が複雑だと、じっくり薬師丸の姿を楽しめないからこのくらいの話がちょうどいいのだ。
・・・とは言いながら、まったく予備知識無しで行ったので、あの意外な話の展開にも「へぇ~、そういうことかっ!」と驚き・・・(^^; 楽しめましたぞ。話も伏線をはりながらしっかり作り込まれている。
「俺の想像出来ないことをしてくれよ」とトヨエツに言われた薬師丸が、クリスマスツリーの飾りを手で弄びながら「ん?」と笑みを浮かべるところ。可愛さ、哀れさ、怖さ、そして虚無感。色々な感情がわき上がる。「嫁さん、大切にしなきゃな」とも。(笑)
良い話なんだよ、やっぱ。
そして今更ながら、やっぱ石橋蓮司は天才だな。
彼の存在があればこそ成立した作品。
ところで、映画を見ながらずっと「舞台みてえだな」と思ってたんだけど、やっぱ元々舞台でやってた作品なんだ。
行定監督は意識して「舞台っぽく」してたのかな?
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