そう言えば、この間(8/19)山口県立美術館で見た「ロベルト・ドアノー展」のことを書いてなかった。
フランス、パリの写真家です。
生誕100周年記念の写真展なので、まあ、既に故人です。
200点もの作品が展示されていて、実に見応えのある写真展でした。けっこう見入ってしまって、最後の作品まで随分と時間をかけてしまったので、マジで足が痺れちゃったよ(笑)
写真そのものというより、ロベルト・ドアノーという人間への興味がそそられる作品展だったね。
すごい人見知りだったということで、初期の作品はまるで隠し撮りみたいな世界(笑)
皆がカメラに気づく前にささっと撮りました・・・とか、いや、べつにあなたを撮ってるわけではないんですよ感を醸し出しつつ撮ったんだろうなっていうのがヒシヒシと伝わってくる作品群。
こんな人見知りの男のくせに、仕事は遅刻と無断欠勤の連続でクビになった・・・というエピソードにも惹かれる。
結局、芸術家なんだよな。仕事のことなんかほっといて、撮影旅行とかに行ってたんだろう。
まるで隠し撮りみたいなのに、ちゃんと主題がピシっとわかるという作風は、そういう「気が弱いくせに、自分が好きなことには他人に迷惑をかけてものめり込む」という性格が反映したものなんだろうな。
何気ない日常の一瞬を切り取る天才と言われていたようだが、結局、ロベルト・ドアノーの性格ではそういう路線でいくしかないし、だからこそ、そういう作品を生み出すための技術や感性が磨かれ、洗練されていったのだろう。
いや、久しぶりに「わあ、この写真良いね!」というのではなく、「わあ、やっぱドアノーはこう撮るんだな。そうだよな。ドアノーという人間には、これはこういう具合にしか撮れないんだよな。」みたいに、写真家と写真作品を一緒に楽しめる写真展に出会えたって感じ。
いや、ホント、楽しかった。これは当たりだったね!
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