フランシス・アリス展

先週、比治山本町のお客さんと打合せがあったので、その帰りに久しぶりに広島市現代美術館に寄ってみた。
何か特別展をやっていれば観て帰ろうと思ったのだ。最近、なかなか比治山方面に来ることが無かったからな。

そしたら、「フランシス・アリス展」というのをやっていた。
入り口の垂れ幕には、写真なのか映像の一場面なのか分からないが、列になって海を渡ろうとする人たちの姿が載っていた。
一瞬躊躇した。
正直、前衛芸術の中でも、映像や写真系のものってあんま好きじゃないんだよね。

20131218_genbi.JPG
が、まあ、久しぶりの MOCA だ。
それに、現代美術館の特別展の入場料は大概 1,000円だからな。
ハズレならハズレなりに、それを楽しめる価格設定だ。
ということで入ってみた・・・

・・・が、やっぱり訳わからん世界だった(^^;

展示物の中の一番の目玉は「川に着く前に橋を渡るな」という映像作品なのだが、これがもうわけわからん(^^;
いや、多分、ヨーロッパやアフリカの人には感じるところがあるのかもしれない。
「ヨーロッパとアフリカを隔てるジブラルタル海峡を、2つの大陸双方から渡る子どもたちの列によって橋のように繋ごうと試みた近年最大のプロジェクト」だからだ。
多分、この僅か14kmの海峡を隔てたヨーロッパとアフリカの貧富の差とか、難民がらみの過去の確執とか、日本人にはわからない問題や歴史があって、それが作品のメッセージの源になっているんだろうけど・・・
わからん(^^; ジブラルタル海峡のことなんか、生まれてこのかた考えたことの無い俺にはまったくわからん世界や(^^;

その他にも、「ひたすら氷の塊を押して街中を歩くだけ」とか、「広場でずっと空を見ていたら何事かと人が集まってきた」とか、その手の、如何にも前衛芸術にかぶれた日本の馬鹿な美大生がやりそうな表現作品が多くて、苦笑いであった(^^;

いや、もちろん芸術家の側はもの凄い一生懸命物事を突き詰めていって、この表現方法に行き着いてるっていうことはわかるんだけど。

でも、ちょっとこっちもむずむず照れてしまうというか(^^;
「おう、おう、がんばって『他人と違う面白いことしようとして足掻いてるなあ』感がすげえ・・・」という、そうだな、俗に言う「不思議ちゃん」を見た時のイライラと気恥ずかしさが入り交じったあの感覚というか・・・同じようなものを感じちゃうんだよなあ。この手の作品には。

反対に、これらの作品を見て、その場で「大変な労力を費やしてもそれが報われない社会の矛盾や不条理を浮かび上がらせてるね」とかすぐに感じるヤツって反対に信用できんわ(^^;

ま、それというのも、フランシス・アリスのような「本物」を見る前に、日本の馬鹿美大生の「ひとりよがりの」前衛芸術作品とかに触れまくっちゃったのが原因かな。
ほら、先にアイドルが主役をやってるような下らないミュージカルを見ちゃうと、「台詞をいきなり歌い出したりしてミュージカルって馬鹿みたい」っていうような偏見を持ってしまうのと一緒なんだろうな・・・と。

・・・はい、すみません。精進します(^^;

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このページは、shinodaが2013年12月23日 11:20に書いたブログ記事です。

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