この木曜日に、広島市現代美術館に特別展「世界が妙だ!」を観に行ったんだけど、今回はそのついでに観たコレクション展の話。
美術館の展覧会には「特別展」と「コレクション展」があって、大雑把に言うと「特別展」は他所から作品を持ってきて(美術館自体が企画することもあるし、他所が企画して日本や世界を「巡業」している展覧会を美術館が受け入れるというケースも多い)ある期間だけ展示する「一回限りの展覧会」で、「コレクション展」というのはその美術館がコレクションしている作品の中からあるテーマに絞った作品を展示するもので、まあ、正直「地味」である。
しかし、俺は貧乏性なので、特別展に行ったらついでにコレクション展も観て帰らないと、なんか損したような気分になるんである。なので、本当に時間が無い時以外は、かならずコレクション展にも顔を出す。
ひろしま美術館は「コレクション展」とは銘打たず、常に展示室(4つある)に代表的なコレクションが展示されているので、いつ行っても例えばゴッホの「ドービニーの庭」やルノワール、ピカソ、シャガールなどメジャー作家の作品を楽しむことが出来る。
一方、広島県立美術館や広島市現代美術館では、「特別展」に合わせ「コレクション展」が企画されることが多いようだ。ひろしま美術館のように常時展示を行う「展示室」は無いんかな?
特別展の時しか美術館を訪ねないもんで、その辺はよくわからない(^^;
で、広島市現代美術館のコレクション展の話に戻す。
2016/10/08~2017/1/22 の間、「コレクション展 2016-Ⅲ | 特集 みみをすます」というのをやっているのでそれを観たんだけど、いやあ、良い出会いがありましたわ。
展示されている作品の半分ほどは今までのコレクション展で観たことがあるんだけど、残り半分は今まで目にすることのなかった新しい作品との出会いであった。
その中に、アレックス・カッツ(Alex Katz)氏の「12月」という作品もあったのである。
いやあ、もう、最高です。
冬服に身を包んだ女性がこちらを振り返っている肩から上のポップな肖像画なんだけど、もうこの女の人の表情がよくて。この作品の意味云々の前に、この女性の表情がすばらしい。少ない線のポップな絵柄でよくこんな複雑な表情を描き出したもんやのお。
もう、絵の前から動けませんでしたよ(^^; ほんと、すとんと自分の中に落ちてきて、自分を虜にしてしまう芸術品っていうものが存在しているんだね~。
いま、Google で検索してカッツ氏の作品のいくつかを観てみたけど、「12月」ほど魅力を感じたものはなかったな。
カッツ氏の作品に惚れたというわけではなく、「12月」という作品に俺は惚れたんだなあ。
こりゃ、また広島市現代美術館に観に行かなきゃ。来年 1/22 の終了までの間に、もう一度行きたいわあ。
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