映画「この世界の片隅に」は、新妻・すずさんのドタバタ喜劇です

昨夜は、映画「この世界の片隅に」を観るために東急ハンズの上にあるサロンシネマ1・2へ。ちなみに、「この世界の片隅に」は1の方で上映。

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本当は、12/8 に八丁座に観に行こうと思ってたんだけど、監督挨拶があったみたいでチケット完売、空席無し。その週の土曜日に Facebook フレンドの AR カワさんがサロンシネマに観に行こうとしたら満席でチケット買えなかったとか、そういう話ばかり見たり聞いたりしてたので、この日は昼休みに自転車飛ばして 19:10からのチケットを買いにサロンシネマに。
サロンシネマは全席自由席なんだけど、チケットに印字されている入場番号順に入場するので、早く入れば当然自分の好きな席をゲットできる。

俺は 2番でした(笑)

ということで、ちょうど真ん中あたりの 54番席をゲット。それでもちょっと見上げる形にはなるのでどうかな?と思ったんだけど、俺を押しのけるようにして入ったおばさんも同じ列の席を取ってたんで、まあ、当たりだったんでしょう(笑)

だいたい、1/3くらいの入りだったかなあ。いや、半分は埋まってたか・・・まあ、そういう感じ。
平日であれば「今夜行ってみるか」でも必ず入れると思うんで、ぜひ足を運んでみてくださいませ。

で、映画なんだけど・・・
俺、先に「戦争の悲惨さを描いた映画」という偽情報を耳にして観に行ってたんで、多分、本来の面白さの半分も享受できてないわ。変に「どんな悲惨な展開になるんだろう」と構えてしまって。

そういう映画じゃないよね、これ。
いや、もちろん結果的に戦争の悲惨さは描かれてるんだけど(ネタバレだけど、すずさんも米軍が落とした時限式爆弾で片手失くすし、姪っ子も死んじゃうし)、でも、そういう映画じゃないね。

この映画の主題は片渕須直監督が言われているように「居場所」の物語であり、「居場所」を探す天然ボケな新妻・すずさんのドタバタ奮闘ぶりに萌ってする映画だよね。
映画を最初から最後まで貫いているのは「戦争の異常」ではなく「普通の生活」という感覚だし。

戦争という異常な状況でも「普通の主婦」は忙しくて、朝から晩まで家事に追われ、小姑の何気ない言葉にもやもやしたり、衣食で色々工夫したり、少しずつ旦那のことが好きになっていって、でも幼馴染の男と二人きりになるとドキドキしたり、実家に帰ったらだらけたり、戦争中でも一般人の暮らしは「普通」の積み重ねである。

そういう普通の生活をがんばるすずさんの姿を楽しむ映画である。

そのすずさんの日常生活と同じレベルで、そこに戦争があり、日常の中に異常が入り込み不幸があり、でもまたいつもの日常がもどり、片手で不自由しながらもすずさんは家事をこなし、戦争で夫と息子を亡くした近所のおばさんも闇市で買ってきた物資を載せた大八車を引く。淡々と「普通」の姿が描かれ、ちょっとしたすずさんの失敗に萌え~とする。

「観ていた老人が号泣していた」とか、そんなことを強調して「戦争映画」だと紹介するのは完全に間違い。
「戦争映画」という先入観を持っていたら、この映画は半分も楽しめない。

「すずさん、萌え~」な視点で観る、泣くより笑うための映画で、それでも最後に戦争の悲惨さを認識し、戦争は絶対いやだという気持ちにはなる、そういう映画で、決して戦争の悲惨さを中心に描いた「戦争映画」じゃないよ、これ。

嫁に行った呉で「居場所」を探し、そこが自分の「居場所」だと決心し、やがて本当にそこが「居場所」になるまでのすずさんのドタバタ劇を、ただただ笑いながら観てあげてほしいねえ。

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このページは、shinodaが2016年12月13日 11:16に書いたブログ記事です。

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