テーマはよく理解できなかったが、展示されている作品は素晴らしい

久しぶりに広島市現代美術館に。

前回ブラっと寄ってみたときは特別展をやってなかったので、久しぶりの特別展「アカルイ カテイ A Bright Home」を観た。

ただ、

この展覧会では、明治大正生まれの作家から1980年代生まれの作家まで11人を取りあげ、
彼女/彼らの創作活動のなかに家庭や家族がいかなる影を落とし、いかなる光を照らしているのかを見ていきます。
それによって「明るい家庭」をアップデートし、この先の「アカルイ カテイ」実践の方法を探ってみたいと思います。

という展覧会だったのだが、正直そのテーマはよくわからなかった。

なにせ、例えば小西紀之氏の作品などは「家族・家庭」が「作品のモチーフ」だが「テーマではない」のだ。
どの作品も、(顔をくねくねと曲がった線で塗りつぶされた抽象的な絵だが)大人に寄り添う子供の姿が描かれているのが想像できるが、作品の名前はどれもこれも「無題」ばかりで何が言いたいのか全然わからん(笑)
多分、家族を描きながらもその関係性を希薄にして、純粋に人と人が寄り添う「形の面白さ」を楽しんでいるだけじゃないのか???

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まあ、というわけで展覧会そのもののテーマの理解はできなかったのだが、展示されている作品の中には素晴らしいものがあり観る価値は十分ある。

上記の小西紀之の作品も素晴らしいが、俺が一番心躍らせたのは江上茂雄氏の作品だ。
貧乏故に母と二人で親戚の家に居候し働き続けた氏は、クレヨンとクレパスを画材に絵を描き続ける。初めて個展を開けたのは定年退職後だ。
悶々とした思いを叩きつけるようにクレパスとクレヨンで厚く塗られたその絵はまるで油絵のような立体感と艶めかしい色合いを持つ。

特に「母の赤きタンス2」が良い。
家の中の部屋の一角を描いた作品だが、その色の鮮やかさと奥行きある立体感に驚かされる。

観に行ってよかった。

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このページは、shinodaが2020年1月 4日 08:11に書いたブログ記事です。

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