片添港は俺にとって特別な港だ。
すぐ近くにある片添ヶ浜オートキャンプ場に、娘が小学生の間は毎年来ていた。
しかし、キャンプの時に釣りをしたのは一度だけ。何せ、俺が海釣りを始めたのは 2018/9/23のことである。それまで、近くに港があることすら意識したことがなかった(笑)
翌 2019年の片添ヶ浜のキャンプでは、娘たちが寝ている間に片添港にエギングをしに行ってみた。ボウズだったけど楽しかったなあ。翌 2020年はコロナのせいで中止。
今年は・・・娘もちょっと身体を壊してるんで、キャンプは無理だろうなあ。
そういう、娘との楽しい思い出の場所だから、片添港でボウズのままというのは許されないのだ(笑)
去る 1/5、俺は真っ暗闇の片添港でロッドを振り、防波堤の岸壁に PE ラインを貼りつかせ、ボウズのまま思い出の地を去った。俺の人生にとって、この港でのリベンジは必須だった。
1/30(土)。俺は3時間余りで周防大島の港を 6ヶ所周り、2勝4敗。負け越したまま片添港を訪れた。時間はすでに 18:15。辺りは真っ暗。防波堤の常夜灯の下には既に何人か釣り人が陣取り、赤い電気ウキを投げ込んでいる。サビキか?横でルアーを投げられる雰囲気でもない。
晩飯までに家に帰りつくことを考えると 10分ほどしかロッドも振れないだろう。ここで釣果を上げても 3勝4敗で負け越しは決まっている。それでもロッドを振る必要があるのか?
ある。もう一度言うが、この港でのリベンジは俺の人生の必須事項である。
いい場所は取れなかった。防波堤の根元の方の浅い場所である。第一投。俺は娘の顔を思い浮かべながら足元にカブラを投げ込んだ。しかし、常夜灯の光も俺のところまでは届かない。カブラがどこに着水したのかもよくわからない。俺はポケットからヘッドライトを取り出し、急いで頭に取り付けた。
上下逆だった。あかん!!俺はライトを落とさないように注意しながら、今度こそ正しい向きに取り付けた。
「やれやれ・・・やっと釣りになるわ」と思いつつ、ほったらかしにしていたラインを巻く。ピクピク!!「あれ?」ピクピク!!「アタリやん!」俺はすぐにラインを巻き上げた。
8cmほどのチビメバルだった。
慌ててヘッドライトを点けて釣果写真。赤いライトのままで撮ったので不思議な写真に(笑)。
ははは!俺はやったぞ!!圧倒的不利な条件下で、8cmだろうがなんだろうが、魚を釣り上げ、リベンジしたのだ。きれいな思い出を取り戻したのだ!
家に帰った俺は娘に「片添ヶ浜で魚を釣ったぞ!」と報告した。
娘はチラっと俺を見ると、無言で部屋に消えていったのであった。
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