さらば、7號サーバ

俺が約18年勤めた会社を辞め、自分の会社を作ったのが平成16年(2004年)だ。あれから 17年。もうすぐ、サラリーマンだったときと同じだけの時が流れることになる。

独立してからも色々あった。仕事の方はお客さんに恵まれて、大儲けはしてないが、まあ、正直、サラリーマン時代よりは稼がせてもらった。「サラリーマン時代より稼ぎが不安定になって苦労している」感を出しておいたほうが色々都合がよかったので、時々つらそうな顔も見せていたが、すみません、全部ウソです。この17年。ずっと楽しく仕事をさせていただきました。

あ、いや、ちょっとお互いプラスにならない不幸な仕事ってのもあるにはあったな(笑)。初めて「あれ?これ、訴えたら俺勝てるんじゃない?」ってパワハラなお客さんもいたし(笑)。でも、そういう仕事はこちらから断る自由があるよね。自分が社長だと。

そんな風に、本当に自分が好きな仕事や信頼出来るお客さんとだけ、楽しくやってこれた 17年間だった。

そして、そんな我社を支えてくれていた「7號サーバ」。某社で2008年9月から借りているレンタルサーバだが、13年間、ほとんど障害なくメインのインターネットサーバとして働いてくれた。

HDD の容量はわずか 20GB。そこに乗っているのは CentOS 4 だった(笑)。とっくに OS のサポート期間は過ぎているが、レンタル元の某社がしっかりサポートをしてくれて、なんの問題もなく動き続けていた。まあ、今借りている他のサーバの 5倍以上のレンタル料がかかってるからね(笑)

独立して数年間は、辞めた会社に自社製 FreeBSD サーバ(2號サーバ)をハウジングしてたんだけど(ほんと、辞めた会社と良好な関係だったのよ)、辞めた時の所長さんが転勤され(転勤先からも当社に仕事を出していただき、本当にK西所長にはお世話になった)、その後やってきた所長が「我社を辞めた人間は皆敵」って考えのほんま糞で(笑)、結局「辞めたやつのサーバなんかハウジングするな」みたいな話になって、某所のレンタルサーバに切り替えたという経緯が。それが「7號サーバ」だった。

ネット上の公開サーバは堅牢な FreeBSD で構築していたが、社内では White Box Enterprise Linux を使っていたので、同じ RHELクローンの CentOS にはすんなり 2號サーバから移行することができた。

我社で管理しているドメインのマスターDNSサーバはずっとこの 7號サーバだった。
一時期は、かなりの数の Web やメールのホスティングサービスもこの 7號サーバで行っていた。重要な当社の収入源だった。

そんなサーバもついに「設備の老朽化のため 2021年9月末でサービス終了」となってしまった。

9月にバタバタと何社か残っていたお客さんのメールサーバなどを新しいサーバに移行した。当社で管理しているドメインのマスターDNSも別のサーバに移した。引っ越しが完了したのはあと 3日でサービス終了という日。ほんとにギリギリまで現役サーバとして働いてくれた。

俺は物に対する思い入れがあまりない。車やバイクを手放す時も、感慨に浸ったことはない。車やバイクだけではない。カメラだろうが、ギターだろうが、キャンプギアだろうが、愛用品にはたくさんの思い出がつまっているが、手放すときに、例えば友達や家族と別れる時のような寂しい思いは感じたことがない。

しかし、「ああ、今日でこのサーバにログインすることもなくなるんだな」と思ったら、突然寂しさが身体の奥底から湧き上がってきた。いや、キモっと思うかもしれないが、なんか泣きそうになってしまった(笑)。マジで「13年間ありがとう」とサーバに対して思ったのである。

サービス停止の日は、サーバにログインしたままで寝た。深夜 0時にはまだログインできた。

次の日の朝起きると、SSHクライアントの画面に、

Broadcast message from root (Fri Oct  1 02:15:57 2021):

The system is going down for system halt NOW!

と表示されていた。2時15分まで動いていたようだ。実は今もその最後のメッセージを表示した SSHクライアントを閉じることができずにいる(笑)

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このページは、shinodaが2021年10月 5日 01:37に書いたブログ記事です。

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