山口県教育委員会が提示した「県立高校再編整備計画 前期実施計画(素案)」の中に、「岩国市内に新しい県立中学校を創立。それに合わせて県立高森みどり中学校の廃校」という案が盛り込まれたことにより、現在、玖西地区住民を中心とした「高森みどり中学校の存続を求める会」が結成され活動を行っています。
その中で、県に対して「あまりに説明が不十分。もう一度住民説明会を行うべき」との申し入れを行ってきましたが、この度、周東地区にて説明会が実施されることになりました。
ぜひ、学校がある玖西地区に在住の方、また、高森みどり中学校を卒業、あるいは在学している生徒の保護者の方には参加していただき、県からの説明に納得がいけるものなのか確認いただければと思っています。
県のWebページ内に以前は素案へのリンクがあったのですが、今は無くなっているようです。そこで、このエントリーで簡単に内容を説明します。
簡単に言うと、
- 2026年に「山口県内の学力アップ」「県外の学校への生徒の流出を防ぐ」などの目的で、下関西高校と岩国高校に中高一貫の県立中学校を創立。
- その時点で、二校ある県立中のうち、下関中等教育学校は残すが、高森みどり中学校は生徒の新規募集を停止。全生徒が卒業する 2年後に廃校とする。
- 下関市は複数の県立中を存在させられる規模の市だが、岩国市の規模では無理だとの判断による。
- なぜ高森に中学校を残さず、岩国に新設するかは、岩国高校のほうが高度な教育を行う素地がある。また、岩国高校の規模をこれ以上小さくしたくない(学習の多様性が失われる)。
というものです。
一部の方が誤解されていますが、存続を求める会の活動は「子供の減少で、みどり中が十分な教育を受けさせる規模ではなくなった、あるいは近い未来になくなるのがはっきりしており、みどり中の廃校は仕方のないこと。世の流れ。なのに、学校がなくなると寂しいとか、卒業生やその保護者が、感情的に『学校を残せ』と騒いでいる」・・・というものではありません。
「高森みどり中では結果が出なかったので、頭の良い岩国高校の下に中学校を作るってことでしょ?仕方ないじゃん。残せというのがわがまま」というのもまったく間違った理解です。
- そもそも、高森みどり中学校は定員割れをしたことはないし、こんな話が出ているのに、今年も定員の1.5倍の児童・保護者が説明会に来られている。子供の減少云々の影響を現在受けていない。
- 高森みどり中学校の受験生/入学生の約半数は防府、周南、下松、柳井など山口県東部全体から来られており、下関と岩国の市の規模を比較して、下関は2校で大丈夫、岩国市は1校でないと駄目という判断がおかしい。
- また、生徒の三分の一に相当する玖西地区の児童数は、今後10年減らない(児童数の推移予測については、役場等で確認できます)。 ※残念ながら、旧岩国市の児童数は10年後に大きく減少します
- 岩国高校に高い学習指導のノウハウがあることは認めるが、すでに高森みどり中学校には20年の歴史があり、高ランク大学等への進学実績も上げている。この実績については県教委も認めている。
- 「同じような学校」を2校置く力は岩国市にはないと言うが、新設される岩国高校付属中学校と高森みどり中学校は異なる校風を持つ、まったく違う学校となるのは明白である。岩高付属中はより高い学力を目指し、またそれを目指さないのなら意味がない。高森みどり中学校も高い学力を目指すが、市立中への進学に色々な理由で抵抗のある子の受け皿として既に存在しているし、今後も存在していく。
- 部活動についても、カヌーやホッケーは中学時代から高校生と一緒に練習を行い、高校進学後、国体やインターハイで結果を出している。これは練習場となる設備のある玖西地区に学校がある故の恩恵である。
- 上記のような理由で、「みどり中より岩高付属へ」という選択もあるように、「みどり中がいい」という選択も残ると思われる。この選択肢を残さないというのは、県教委の言う「教育の多様化の推進」に反するのではないか?
というのが高森みどり中学校の存続を求めている理由です。
こちらとしては具体的な数字や現場の声をもとに県に対し存続を求めていますが、今現在、県から具体的な数字などを示した廃校理由の説明はありません。
「なるほど、これはおかしいな」と思われた方も、「いや、それはそっちの言い分でしょ?県が間違ったことを言うはずはないと思うけど」と思われた方も、ぜひこの機会に、県からの説明を聞いてみていただければと思います。
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