昨夜 1時すぎに読了。おかげで今日は眠い。
「六人の嘘つきな大学生」(浅倉秋成著)である。
2年前に発表された作品だが、すでに舞台化や漫画化がされており、映画化予定とのこと。随分な人気作だったんだな。
俺も去年の「このミステリーがすごい!」大賞に入賞した作品が平積みになっていたのを買った記憶があるので、もう一年くらい寝かせてたんかな?
老眼で活字を読むのがつらくなってきたので、最近は漫画ばかりだったのだが(雑誌すらあまり読まなくなった)、この間から風呂で本を読むようになって。このブログでも書いた「交換殺人には向かない夜」もそうだったんだけど、濡れた手で触ってページをよれよれにしつつ読了した(笑)
本が傷むので風呂で読むのは嫌いだったんだけど、ホントに最近時間がないので。死ぬまでに読む本の数を風呂読みでせっせと増やしているところである(笑)
で、「六人の嘘つきな大学生」だけど、世間の評判どおり(笑)「面白かった」。
就活中に実施されたグループディスカッションで、就活生たちの過去の過ちを告発する不審な文書が見つかる。それによって一人の就活生がその文書を作った犯人とされ去っていくが、8年後、あることをきっかけにこの事件の真相が明らかになる・・・という話。
殺人事件も起きなければ名探偵もいない。事件も「就活生が過去の『お痛』をバラされる」だけの話だ。
正直、冒頭の就活シーンまで(犯人とされた就活生がディスカッションの場を去っていくまで)はダルかった(笑)。なかなかページが進まなかった。
俺が、まともな就職活動をしたことがないからリアリティを感じられないからか?(笑)
が、8年後の真相解明編になるとページをめくるスピードアップ(笑)
「大どんでん返し」というわけではないが、いくつものどんでん返しが繰り返され、伏線が回収されていく。
それに、「推理小説」という部分を除いても、なかなか面白い話だった。
「人間」とは「いい人」「悪い人」と簡単に振り分けられるものではないし、日々の中で良いこともすれば悪いこともする、いい人にだって意地悪な面はあるし、無能に思えても実はある一面では有能なこともあるという当たり前のことがきちんと書き込まれている。結局これが言いたい物語だったんだな(笑)
「人間」とは「いい人」「悪い人」と簡単に振り分けられるものではないし、日々の中で良いこともすれば悪いこともする、いい人にだって意地悪な面はあるし、無能に思えても実はある一面では有能なこともあるという当たり前のことがきちんと書き込まれている。結局これが言いたい物語だったんだな(笑)
俺は、犯人とされた男の貸し倉庫の床から発見された告発状のシーンが一番震えた(笑)
この浅倉秋成という作家、ロジカルモンスターと呼ばれているらしい(笑)。他の作品も読んでみたい。
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