一昨日、中央郵便局に行った帰りに旧日本銀行広島支店の前を通りかかると、山田弘幸展<banco de la vida>というのをやっていた。
もちろんすぐに入る(笑)
無料だ。
ちなみに、山田弘幸という芸術家を俺は知らない。
まだ10時の開館時間から数分しか経ってなかったからか、会場の奥の方で山田氏(若い兄ちゃん)は何やら展示物の準備のようなことをしていた。
目が合ったので、ペコっとお辞儀をして通りすぎようとすると、「あのお、写真を撮らせてもらっていいですか?」と話しかけられた。
山田氏の話によると、来場者に「し」という音で思いつく文字(「し」「詩」「死」「sea」等)を書いてもらい、それを手にした姿を写真に収め、それを今度の広島での個展で並べて展示したいということだった。「し」という音から、人によって色々なイメージが湧き出すところが面白いと。
自分がアートの一部になるのは楽しそうなのですぐに快諾。
皆さんも、写真に収まりにいってみては?(笑)
展示物は色々なものがあった。
山田氏は写真、イラスト、立体物等々、色々なものを使って表現する芸術家のようだ。絵描き、写真家ではない。
しかし、今回は「広島」での個展のためか、「反核・反戦」をテーマにした写真が多いようだ。
いや、ま、そんなにあからさまに「戦争はんたーい!」と叫ぶような、ちょっと左巻きのイデオロギーが入った芸術家ではないのでご安心を。
「反核・反戦」のテーマを内包しつつも、それをビンビン表に出すのではなく、ちょっとパロディっぽく調理してるような、そんな感じの作品が多い。
例えば軍服の美女の写真。これ、戦中の東条英機の肖像写真をパロってる。それで何を表現しているかと言うと・・・・・・是非、現場で山田氏に聞いてみてください(笑)
山田氏はとても気さくな兄ちゃんで、俺が作品を見たあとで「いやあ、作品に『こういう意味です』と説明がないと、現代アートはよくわからんわ」と嘆くと、ちゃんと各作品で自分が表現したかったことを説明してくれました。
芸術家の中には、「見た人が自由に感じてくれればいいから」と逃げをうつ人もいますが、やっぱ、俺は◆に見えたとしても、表現者本人はどういうつもりで作ったものなのか、そこはちゃんと聞きたいんだよ。作者は■のつもりで作ったものが、どうして俺には◆に見えたのかとか、そういうところの思考も楽しみたいんだよ。
そういう意味で、山田氏はきちんとその問いに答えてくれるので良いね!
8/1 までやっているそうなので、ぜひ見に行ってみてください。