ああ、いかん。メモ代わりにブログに書くのを忘れていた。
おかげで、具体的にどの作品にビビっと来たかわからんようなったわ(^^;
観たばかりの時は、後で展示作品の一覧見たら題名とか思い出されるけんね・・・と油断しちゃうんだけど、こんな風に観てから三週間も開けちゃうとわかんなくなっちゃう(^^;
ブログは熱いうちに書け・・・やね。
表題にあるとおり 5/31(火)に、広島市現代美術館で「東松照明-長崎-」を観ました。
東松 照明(とうまつ しょうめい)氏は名古屋出身のカメラマンなんだけど、長崎、沖縄など、戦争の傷跡を残す場所をすごく丹念に撮影された人で、その「長崎」を撮った膨大な写真の中から、350作品というこれまた膨大な数の展示がされているのがこの展覧会。
でも、この人の良いところは、「長崎」を撮っても、ただただ「戦争反対!」「『国』に虐げられる民の代表としての被爆者」みたいなステレオタイプな(多分に政治臭い)表現に陥ってないところだな。
長崎や広島を撮って「戦争の悲惨さを伝えたいです」なんて言っちゃうのはせいぜい素人か三流のカメラマン。一流の人間はそんな「チープな」ことは言いません。
この人も芸術家だから、基本的には反体制、既存のルール/常識の破壊衝動がある人なんだろうけど、そういう思いを変な政治的方向に向けず、ただ「長崎」を「(戦争の爪あとも含めて)興味深い対象」として切り抜いているところが凄い。一流の人だ。
長崎は被爆という悲惨な歴史を刻まれた街だし、そこには死ぬまで何十年も苦しみ続けた被爆者の姿もあるんだけど(そしてもちろんそういう姿を東松氏は写し取ってるんだけど)、それだけではなく、例えば俺が今回の展覧会で心奪われた作品も(上記のように具体的な作品名はわからなくなっちゃったけど(^^;)中国からの文化の影響を受けた「色鮮やかに着色された街・長崎」の写真だった。
戦争の悲惨さを俺たちに突きつけながら、どこか未来への希望も与えてくれる作品群なんだよなあ。
被爆地「長崎」の写真を観ながら、「世の中はこれほど鮮やかな色にあふれていたのか」と認識することになるとは思いもしなかった。感動した。
あと、やっぱプロのカメラマンって、伝えたいものにピシっとピントがあってるねえ。
いや、もう、芸術的なこと云々の前に、やっぱプロになる人って、そういう技術面が凄いわ。
正直、いくら「良いシーンを切り取る天性の素質」がある人でも、ピシっとピントが合わせられなきゃプロにはなれませんよ。
それと、これ、また「デジタル教」の人を刺激してしまうのを承知で書くけど、「インクジェットプリンタで出力された写真」って、発色現像方式印画の写真と較べて発色も悪いしエッジもぼやけてるねえ。
いや、プロの写真家が自分の作品に対して責任を持ってOKを出したわけだから一定の品質には達っしてるんだろうけど、観てわかるレベルでインクジェットプリンタ出力の写真は迫力がない。
もしかしたら、出力直後はもっと発色良かったんだけど、10年そこらで退色しちゃったのかね?
何にしても、最近二眼レフカメラにはまってる俺には、良い刺激になった写真展でした。