美術・芸術: 2023年8月アーカイブ

長門市の香月泰男美術館から今度は萩市に移動。だいたい車で 30分ってところか。
山口県立萩美術館・浦上記念館で開催されている「浮世絵 x カブキ 江戸の役者絵展」を観る。

浮世絵に興味はあるのだが、知識はほとんどない。まあ、俺も含めそんな人が大多数だと思うが、そんな人でも十分楽しめる作品群だった。

20230812_uragami1.jpgいやあ、まず、技工がすごいね。
木彫りの版画として、世界トップレベルでしょう。
なんて言うと、すぐに「国粋主義者めっ!」と騒ぎ出す左巻きの馬鹿がいるけど、自分が住んでいる国の匠の歴史を評価できないような捻くれ者は単なる愚者だぜ(笑)

まあ、たしかに近くに「職人」の概念がない悲しい国があって、市民活動家的な人間は日本よりそっちの国が好きだから、いくら浮世絵職人の凄さを語ってもささらないよな(笑)

・・・ああ、いかん、いかん。政治の話になるところだった(^^;;

まあ、そういうわけで浮世絵の技術的な凄さに改めて驚きながら、歌舞伎の「名跡」の長い歴史にも驚かされる。
浮世絵の初期、今から  3百数十年も昔の絵が「二代目 松本幸四郎」とかやで。それ、松たか子のお父さんやろ?(違う(笑))

でも、何百年も芸を伝承しながら名前を受け継いでいくって、そんなに簡単なことじゃないで。
実際、歌舞伎だって「古い娯楽」として下火になったことは何度もあるけど、それでもしっかりと名前を引き継いできた凄さ。そして、そんな古くからこういう芸を完成させていた日本の凄さ。そういう凄い国にこうして生を受けた喜びな(笑)

またまた、頭のおかしい左巻きの人たちに「国粋主義者!」と罵られそうだが(笑)
確かに、あなたたちの好きなお隣の国にはこうした芸術の歴史が・・・(笑)

本当に日本人ならぜひ観てほしい展示だった。
こういう長い日本の歴史を体感すれば、同じ環境に生きる人間として自信も持てるし、ちゃんと生きよう、恥ずかしいことはできないしって思えるよ、多分。
美術館でもらったパンフの中に面白そうなものがあった。
「魚海図鑑」というタイトルで皿の上に乗った魚の絵が並んでいる。どこの美術館?と思って見ると「香月泰男美術館」と。

20230812_kagetu1.jpg
香月泰男って、なんか記憶が・・・。そうだ、先日、山口県立美術館で「<香月泰男とシベリア・シリーズ1>"シベリア様式"の確立」ってコレクション展みたんだった。
あのときのコレクション展で一番おもしろかったのが香月泰男画伯の展示だった。

でも、こんなポップな感じの絵だっけ?
なんか、シベリア抑留の苦しみを描いた、もっと暗く重い絵じゃなかったっけ?

というわけで、香月画伯に興味を持った俺は、この夏の連休に長門市三隅中の香月泰男美術館へでかけたのである。

香月画伯の書いた魚と海の油彩やデッサンを展示した「香月泰男の魚海図鑑」。
山口県立美術館で観た「シベリヤ・シリーズ」とは違う、繊細な線とポップな色使いの絵はなんか気持ちを軽くしてくれるねえ。

展示作品の中で俺が一番好きだったのは、「海」の最初に飾ってあった複数の船が海に浮かぶところを描いた絵。タイトル忘れた(笑)

面白いのが、香月画伯が魚を完全に「食材」としてみていること。「地元・長門の魚を食べるのが大好きだった」らしく、なんか、魚の絵を描いている人は「魚の生命力に云々...」みたいな話をしがちだけど、完全に「美味しそう」って目線で見て描いてることが絵からビンビン伝わってくる。

絵の他にも、アトリエで手慰みに作った人形とか、本当に気持ちが明るくなる作品を見ることができる。

そうそう。中には入れないけど、画伯のアトリエも再現されていてガラス越しに見ることができる。なんか秘密基地っぽくて、他人のアトリエ見るのって楽しいよね。

500円で観れる展示として、芸術を損得で語るのもアレですが、とてもお得と思える展示だった。山口県の人はぜひ行ってみんさい(笑)
祖生からは高速使ってちょうど 1時間半です。

もう、ちょっと前の話になってしまうが、6/23(金)に山口県立美術館を訪ねた。免許更新で小郡の山口県総合交通センターにでかけたついでに寄ったのである。この日はお客さんのところの常駐作業も休みを取らせていただいていた。

20230623_bijyutu1.jpg
この日の県立美術館は特に特別展はやっていなかった。6/11 に佐藤健寿展が終わったばかりである。
もちろんそれはわかっていたこと。俺が訪ねたのは、コレクション展を観るためだった。

このブログにも書いたが、5月に「佐藤健寿展 奇界/世界」を観たのだが、このときは 1時間ほどしか時間が取れず、コレクション展を観ている時間はなかった。そのリベンジだったのである。山口県立美術館のコレクション展は、毎回工夫されていて楽しい。

この日のお目当ては、"「奇」を撮る"と銘打った写真の展示であった。「写真家たちが捉えた様々な「奇」をご覧ください。」とあって、なんとも興味をそそられる。6/25までの展示だったので、この日を逃すともう観に来る機会がない。

しかし、結局、この日俺の脳裏に刻まれたのは、隣の展示室の「<香月泰男とシベリア・シリーズ1>"シベリア様式"の確立」の方であった。

月並みと言うか、陳腐な感想になるが、戦争により(まあ、香月氏の場合、戦争そのものより、シベリアでの捕虜としての過酷な生活によるものだが)如何に人間の精神が歪むか、また、歪んでしまった精神が生み出した作風の変化を、自分の表現に昇華していく芸術家の強かさなど、色々と感じさせられる作品群だっら。

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いや、写真も面白かったのよ。でも、被写体が「大笑いする恐山のイタコのおばあさんたち」とか特殊なのよね。その被写体の面白さが前面に出た写真で、あまり俺の好きなジャンルじゃないのよね。

でも、全体的に観に行ってよかったと感じるコレクション展だった。

ところで、オートバイで行くと県立美術館って駐輪場が遠いね。
車を停める駐車場よりまだ遠い。まあ、そもそも1000ccのオートバイは駐輪場に停めるべきなのかどうなのかもよくわからんが・・・

ワークマンで買ったライダーブーツ代わりの安全ブーツ(笑)では移動が大変であった(笑)。駐輪場くらい、美術館のすぐ近くにあって欲しいなあ・・・と。

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