美術・芸術: 2025年1月アーカイブ

先週日曜日。広島市現代美術館からの帰りに広島県立美術館に寄って「もしも猫展」を観た。

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歌川国芳の作品を中心に、浮世絵(漫画絵)に描かれた「擬人化された猫の絵」が多数展示されている。だから「もしも猫(が、人間だったら)」という名前が付けられている。

猫の顔はどれもユーモラスだ。つーか、うちでも2匹の猫を飼っているが、白い先住猫の方によく似た猫の絵がちらほらとあって笑ってしまった。猫好きな人には楽しい展覧会だ。

擬人化した猫だけではなく、着物の柄になった猫など、猫、猫、猫の猫尽くしである。また、猫だけではなく、江戸時代の絵師たちはさまざまな動物や物を擬人化している。それらも多数展示されている。

いや、マジで江戸時代の日本の文化ってのはすごいわ。国粋主義者の俺に「さすが日本!」と改めて思わせる内容。

例えば日本の漫画は手塚治虫がディズニーを参考に作り上げたものという認識の人が多いと思うが、日本の漫画のルーツはやっぱり浮世絵(まんが絵)だよ。

歌川国芳が様々な人間の表情を書き連ねた本の中に「めしつぶをふむ」って絵があって、床に落ちていた飯粒を踏んでしまった男が、飯粒のついた自分の足を見ている絵なんだけど、その「虚無」な表情、笑える(笑)

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日本の漫画で主人公があり得ない失敗をしたとき(犬のうんこ踏んじゃうとか)見せる「ふーん、あ、そう(虚無)」的な表情って、すでに江戸時代の絵師が描いてて、やっぱそこに面白さを覚える日本人独特の感覚があってこその表現だと思うのよね。
ディズニーどうこうではなくて、日本人の感覚が生み出したのが、今の漫画でしょう。

手塚はディズニーを参考にしたかもしれんけど、今世界を席巻している日本の漫画家に流れているのはディズニーの血ではなく、歌川国芳の血だよね、

などと気づかせてくれる、なかなか有意義な展覧会であった。

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