美術・芸術の最近のブログ記事

今日は所要で山口市に来ていたので、山口県立美術館に寄ってコレクション展を観ていくことにした。

令和5年度第3回コレクション展は、

  • 江戸時代の動物画 森派の作品から
  • <香月泰男とシベリア・シリーズII> 描かれた戦争と抑留
  • 生誕150年 永地秀太展

である。

どれも面白かったよ。

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まず、「江戸時代の動物画」。龍虎図の虎が・・・でっかい猫でかわいい(笑)。江戸時代の絵師、実際の虎を見たことがないから、「猫の大きいやつ」って認識なんだろうね(笑)。こういうの好き(笑)

香月泰男画伯の版画集「タヒチ」の中の作品「休むカヌー」は良かった。海の中の杭(?)の上に置かれたカヌーを月明かりが照らす。海面に映る月とカヌーを支える杭の影が滲みる。香月画伯は暗く重い「シベリア・シリーズ」が有名だが、単純な意匠が明るい色でまとめられた版画のシリーズがなかなか良いよねえ。

下松市出身の永地秀太画伯については初めて知った。
なんか、非常に正確に写実された絵で、いかにも戦前の日本の洋画って感じなんだけど、「風景(モンティニー=ブルトンヌーの教会)」という作品は良かったなあ。何と言っても空が良い。空の青が良いのよね。

ということで、ついでに寄ってみた県立美術館だったけど新たな発見があってよかったわ(笑)
日曜日、吉和のウッドワン美術館をツーリングがてら訪ねた。

20231112_woodone1.jpg現在開催されている特別展「歌川広重 二つの東海道五拾三次 ~保永堂版と丸清版~」を鑑賞するためだ。

DUCATI MONSTER S2R 1000 を駆り、国道187号線を六日市まで上る。そこから中国自動車道へ。
気温は 12度ほどだったが、霧雨は降ってるし、風は強いしで凍えた(^^; 中国自動車道がますます嫌いになった(^^;;;
吉和ICを降りて、美術館に到着したときには心底ホッとした。

ウッドワン美術館を訪ねるのは初めてである。
10数年前に子供たちを連れて女鹿平スキー場に行ったときに外観を見たのが最後くらい。もちろん中に入ったことはない。落ち着いた佇まいの良い美術館だね。

受付で 1,800円払って入場。思っていたより高くてビビる(^^;

しかし、それだけのお金を払う価値はあった。展示されていた作品群は素晴らしかった。

歌川広重の浮世絵を見ると、日本の漫画がアメコミの真似から生まれたのではなく、日本人の持った感性が形になった、まさに日本オリジナルものだとわかる。今の日本の漫画、そしてアニメの隆盛というのは、この日本という環境の中で育った日本人だからこそ成し遂げられたものだ・・・と。「マンガ」は広重の直系の子孫だ。

20231112_woodone2.jpg広重の書いた豆粒ほどの人間の顔に浮かぶ豊かな表情を見ていると、そう思わずにはいられない。西洋人から見たら未開の蛮人の国と思われていたであろう江戸時代の日本に、こんなユーモアに溢れたアートがあったとは。浮世絵に触れた彼らが強い衝撃と影響を受けたのもうなずける。

何でもかんでも「日本人は大したことない」と思いたがる自虐的な日本人にしっかり観てもらいたい作品群であった。

良い展覧会でした。

時間がなくて、別館のマイセンの陶磁器などの展示がゆっくり観れなかったのは残念だった。
また機会があれば訪ねてみたい美術館だったな。
昨日は東広島市黒瀬(旧黒瀬町)でフィールドサービス案件を片付けての帰り道。熊野町を走っていると激しい尿意が・・・。病気とか体調不良とかではなく、単なる加齢によるものね(笑)。最近小便が近くて、近くて。みんなそうでしょ?(笑)

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コンビニに寄ることも考えたが、そうだ、あそこだ、あそこに行こう。あそこに行けばトイレもあるだろう・・・と思いついたのが「筆の里工房」である。20数年前、サラリーマンだった時には仕事で時々熊野町にでかけた。俺は熊野町があまり好きではない。当時俺がいた支店は熊野町の仕事のせいで毎年赤字だった。しかし、社内的には色々あるようで、この赤字は腫れ物扱いだった。そんな赤字は無かったものにされ、支店が赤字なのは俺らの営業努力が足りないからだと言われるのだ。

あ、話が飛んじゃった。まあ、そんな感じだったので、仕事で仕方なく熊野町を訪ねることはあっても、なにかそこで遊んだりなんてことは当然無く、筆の里工房にも一度も行ったことはなかったのだ。

筆の里工房って、けっこうメインの道から離れた山の上にあるのね?メインの通りのすぐ側かと思ってたので危うくシッコを漏らしてしまうところだった。
「もうだめかも」と少し涙目になった頃に無事到着した。

筆の里工房では「安野光雅展 京都 洛中洛外を描く」という企画展が開催されていた。ちょうどよかった。

安野光雅氏は津和野出身の画家・装幀家・絵本作家である。
以前、広島県立美術館で安野画伯の絵本展は観たことがある。今回は「絵本作家」ではなく「画家」としての作品が中心の展覧会だ。
産経新聞で連載していた京都を描いた作品「洛中洛外」の絵が中心である。

水彩画なので、「あれ?このくらいなら俺にも描けるんじゃね?」とか思いつつ作品を観ていく(笑)
建物を描いた絵は特に「これなら俺も」と思わせる(笑)。安野画伯の絵の魅力は、自然の草木を中心とした風景画で一番発揮されているように思う。あ、俺の個人的感想ね。

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そんな作品群の中で一番俺が気に入ったのが「嵯峨鳥居本」という作品。
桜の木に囲まれた茅葺屋根の家がぽつんと建っている。この絵は、描けそうな気がするけど絶対に描けない絵だと思った。桜の木の描き方とか秀逸だよね。あ、この絵もやっぱり「自然の草木を中心とした風景画」だ。いや、ほんとに、そういうのが良いんだよ。安野画伯の絵は。

しかし、同じ山口県にこういう大物芸術家がいらっしゃるのは嬉しいね。

いや、津和野は島根県だ(笑)

<追記>
ちなみに安野画伯は、今で言う山口大学教育学部の卒業である。

日曜日に、そろそろ(まだ完全に鎖骨がつながってはいないが)肩の調子もいいので、山陽道を使って広島まで DUCATI MONSTER S2R 1000 を走らせた。

3月からリニューアルオープンした広島市現代美術館(Hiroshima MOCA)に「アルフレッド・ジャー展」を観に行ったのだ。

オートバイを第二駐車場の木陰に置いて、さっそく雲霓橋(うんげいきょう)を渡って美術館へ。
しかし、第二駐車場が新しくなってきれいなのはいいんだけど、以前は階段で下に降りれたと思うんだけど、今はスロープを大回りして降りないと駄目なのね?歩く距離が伸びてデブには厳しいわ(笑)

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で、リニューアル後の現代美術館・・・ん?外観、なんか変わった???少なくとも入り口周辺はなんも変わってないやろう?(^^; ちょっと拍子抜け。そうそう。ロッカーの位置が入口入ってすぐから、奥の受付の横に移動していたので探したわ(^^;;; 最後、涙目になって受付のお姉さんに聞いて解決(^^;;;

そして、やっと念願の「アルフレッド・ジャー展」。第11回ヒロシマ賞受賞記念の展覧会である。

・・・が、うーん、正直、あまりおもしろくなかったなあ・・・

戦争の悲惨さとか、貧困からの脱却とか、そういうテーマで作られた作品群なわけだけど・・・

あざといというか、「いかにも」な感じで・・・。あまり好きになれんかったなあ・・・

例えば、会場入り口すぐにある「広島、長崎、福島」という作品は、壁に3つの時計が、それぞれの災禍が発生した時間で針が止まっている(秒針だけ動いている)というパフォーマンスなんだけど、なんか、中学生とかが考えそうな安直な表現だよなあ・・・って思って、一気に興味が醒めてしまった(^^;;;

「ヒロシマ、ヒロシマ」って作品も、送風機による強い風を作品を観ている観客に浴びせることで爆風をイメージさせる・・・ってことなんだけど・・・。これも中学生とか考えそうな安直な表現だなあ・・・と。

いや、ホント、コレクション展のほうが見応えがあったわ。

あと、係の人が注意とかしてなかったので撮影可能だったのかもしれんけど、ハゲオヤジがやたらとスマホでパシャパシャ写真を撮ってて、作品に集中できなかったのもアレだったなあ・・・
長門市の香月泰男美術館から今度は萩市に移動。だいたい車で 30分ってところか。
山口県立萩美術館・浦上記念館で開催されている「浮世絵 x カブキ 江戸の役者絵展」を観る。

浮世絵に興味はあるのだが、知識はほとんどない。まあ、俺も含めそんな人が大多数だと思うが、そんな人でも十分楽しめる作品群だった。

20230812_uragami1.jpgいやあ、まず、技工がすごいね。
木彫りの版画として、世界トップレベルでしょう。
なんて言うと、すぐに「国粋主義者めっ!」と騒ぎ出す左巻きの馬鹿がいるけど、自分が住んでいる国の匠の歴史を評価できないような捻くれ者は単なる愚者だぜ(笑)

まあ、たしかに近くに「職人」の概念がない悲しい国があって、市民活動家的な人間は日本よりそっちの国が好きだから、いくら浮世絵職人の凄さを語ってもささらないよな(笑)

・・・ああ、いかん、いかん。政治の話になるところだった(^^;;

まあ、そういうわけで浮世絵の技術的な凄さに改めて驚きながら、歌舞伎の「名跡」の長い歴史にも驚かされる。
浮世絵の初期、今から  3百数十年も昔の絵が「二代目 松本幸四郎」とかやで。それ、松たか子のお父さんやろ?(違う(笑))

でも、何百年も芸を伝承しながら名前を受け継いでいくって、そんなに簡単なことじゃないで。
実際、歌舞伎だって「古い娯楽」として下火になったことは何度もあるけど、それでもしっかりと名前を引き継いできた凄さ。そして、そんな古くからこういう芸を完成させていた日本の凄さ。そういう凄い国にこうして生を受けた喜びな(笑)

またまた、頭のおかしい左巻きの人たちに「国粋主義者!」と罵られそうだが(笑)
確かに、あなたたちの好きなお隣の国にはこうした芸術の歴史が・・・(笑)

本当に日本人ならぜひ観てほしい展示だった。
こういう長い日本の歴史を体感すれば、同じ環境に生きる人間として自信も持てるし、ちゃんと生きよう、恥ずかしいことはできないしって思えるよ、多分。
美術館でもらったパンフの中に面白そうなものがあった。
「魚海図鑑」というタイトルで皿の上に乗った魚の絵が並んでいる。どこの美術館?と思って見ると「香月泰男美術館」と。

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香月泰男って、なんか記憶が・・・。そうだ、先日、山口県立美術館で「<香月泰男とシベリア・シリーズ1>"シベリア様式"の確立」ってコレクション展みたんだった。
あのときのコレクション展で一番おもしろかったのが香月泰男画伯の展示だった。

でも、こんなポップな感じの絵だっけ?
なんか、シベリア抑留の苦しみを描いた、もっと暗く重い絵じゃなかったっけ?

というわけで、香月画伯に興味を持った俺は、この夏の連休に長門市三隅中の香月泰男美術館へでかけたのである。

香月画伯の書いた魚と海の油彩やデッサンを展示した「香月泰男の魚海図鑑」。
山口県立美術館で観た「シベリヤ・シリーズ」とは違う、繊細な線とポップな色使いの絵はなんか気持ちを軽くしてくれるねえ。

展示作品の中で俺が一番好きだったのは、「海」の最初に飾ってあった複数の船が海に浮かぶところを描いた絵。タイトル忘れた(笑)

面白いのが、香月画伯が魚を完全に「食材」としてみていること。「地元・長門の魚を食べるのが大好きだった」らしく、なんか、魚の絵を描いている人は「魚の生命力に云々...」みたいな話をしがちだけど、完全に「美味しそう」って目線で見て描いてることが絵からビンビン伝わってくる。

絵の他にも、アトリエで手慰みに作った人形とか、本当に気持ちが明るくなる作品を見ることができる。

そうそう。中には入れないけど、画伯のアトリエも再現されていてガラス越しに見ることができる。なんか秘密基地っぽくて、他人のアトリエ見るのって楽しいよね。

500円で観れる展示として、芸術を損得で語るのもアレですが、とてもお得と思える展示だった。山口県の人はぜひ行ってみんさい(笑)
祖生からは高速使ってちょうど 1時間半です。

もう、ちょっと前の話になってしまうが、6/23(金)に山口県立美術館を訪ねた。免許更新で小郡の山口県総合交通センターにでかけたついでに寄ったのである。この日はお客さんのところの常駐作業も休みを取らせていただいていた。

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この日の県立美術館は特に特別展はやっていなかった。6/11 に佐藤健寿展が終わったばかりである。
もちろんそれはわかっていたこと。俺が訪ねたのは、コレクション展を観るためだった。

このブログにも書いたが、5月に「佐藤健寿展 奇界/世界」を観たのだが、このときは 1時間ほどしか時間が取れず、コレクション展を観ている時間はなかった。そのリベンジだったのである。山口県立美術館のコレクション展は、毎回工夫されていて楽しい。

この日のお目当ては、"「奇」を撮る"と銘打った写真の展示であった。「写真家たちが捉えた様々な「奇」をご覧ください。」とあって、なんとも興味をそそられる。6/25までの展示だったので、この日を逃すともう観に来る機会がない。

しかし、結局、この日俺の脳裏に刻まれたのは、隣の展示室の「<香月泰男とシベリア・シリーズ1>"シベリア様式"の確立」の方であった。

月並みと言うか、陳腐な感想になるが、戦争により(まあ、香月氏の場合、戦争そのものより、シベリアでの捕虜としての過酷な生活によるものだが)如何に人間の精神が歪むか、また、歪んでしまった精神が生み出した作風の変化を、自分の表現に昇華していく芸術家の強かさなど、色々と感じさせられる作品群だっら。

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いや、写真も面白かったのよ。でも、被写体が「大笑いする恐山のイタコのおばあさんたち」とか特殊なのよね。その被写体の面白さが前面に出た写真で、あまり俺の好きなジャンルじゃないのよね。

でも、全体的に観に行ってよかったと感じるコレクション展だった。

ところで、オートバイで行くと県立美術館って駐輪場が遠いね。
車を停める駐車場よりまだ遠い。まあ、そもそも1000ccのオートバイは駐輪場に停めるべきなのかどうなのかもよくわからんが・・・

ワークマンで買ったライダーブーツ代わりの安全ブーツ(笑)では移動が大変であった(笑)。駐輪場くらい、美術館のすぐ近くにあって欲しいなあ・・・と。

5/6(土)。ひろしま美術館で「ピカソ 青の時代を超えて」を観たあと、今度は広島県立美術館に移動。

広電を八丁堀で降りて、大雨の中、てくてく歩いて上幟町に移動。こんなことなら素直に城南通りに出て歩けばよかった・・・と思ったがあとの祭りである。

20230506_kenbi1.jpg目的は 6/11(日)までやっている「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」展を観ることだ。

と言っても、川瀬巴水(かわせ はすい)という人を知っているわけではない。最近はなかなか休日に美術館へという時間が取れないので、特別展をやっているのなら観ておこう・・・くらいのノリで向かったのである。

で、会場で作品を観て初めて気づいた。と言うか、思い出した。「ああ、新版画の人かぁ~」と。

以前、ひろしま美術館で「THE新版画」展が行われたとき、このブログでも『岩国の人には川瀬巴水の「周防錦帯橋」をお勧めする(笑)』なんて書いてた(笑)

渡邉版画店の店主・渡邉庄三郎が生み出した「新版画」は、浮世絵で培われた日本の版画技術に、まるで絵画の筆致を感じさせるバレン刷りの新技法を組み合わせた版画の流派のひとつだが、川瀬巴水画伯はその代表作家である。

川瀬画伯の絵を、職人たちが「新版画」に仕上げていく。版画に合う、合わない絵があるが、川瀬画伯の絵は版画との親和性が高く、かなりの人気を博したようである。
実際、今でも通じる洒落たイラストのテイストがある。古臭さがまったくない。

俺が好きなのは夜の風景を描いたものだなあ。古い日本の風景。家の明かりと周りの闇のコントラストが素晴らしい。「夜の新川(東京十二題)」とか。

月明かりが木の葉の影を幹や側のお堂に落とす「秋田八郎潟」も良い。

夜の風景ではないが、「東海道風景選集 浜名湖」は湧き上がる雲とそれを移す水面が、新海誠監督作品を彷彿させるで(笑)

正直、ピカソ展より見ごたえがあったわ(笑)。イラストレータを目指している若者にも絶対参考になるから観てもらいたい美術展だったなあ。

美術界のビッグネーム、パブロ・ピカソの90年の画業を追った回顧展「ピカソ 青の時代を超えて」がひろしま美術館で開催されている。開館45周年記念の展覧会だって。

岩国も広島もジャージャー降りの大雨だった 5/6(土)に、一人電車に乗って観に行ってきた。
いや、マジでクソ天気が悪い日で、まともな大人なら外出なんかする日じゃなかったんだけど(笑)、この展覧会、5/28(日)までなのだ。
5月も土日はレースの計測の仕事が入っていて、5/28 も仕事で秋吉台だし、この日を逃すと観に行けなさそうなので、重い腰を上げたという感じ(^^;

20230506_picaso1.jpgまあ、ピカソはメジャーすぎて、作品は色々なところで目にする機会も多いし、中にはもう「ピカソはええわ。今更だわ」と思われている人や、「わけわからん絵を描く人でしょ?」と敬遠している人もいるだろうが、俺としてはやっぱ観る機会があれば観ときたい作家である。
やっぱりピカソって絵がむちゃくちゃ上手いしね。

キュビズムの研究に傾倒していた頃の作品を観て「わけわからん絵」と言われているのだろうが、抽象画と比べると全然わかりやすい。要はあの頃の作家の根底にあるのは「写真」との戦いである。
物を写実的に描くのでは写真には敵わない。だから「絵」ならではの表現を画家たちは模索していた。印象派の画家然り、キュビズムで「二次元の中で立体を表現する方法」を模索したピカソしかり。
「わけのわからない絵」は、一枚の絵で「写真にはできない立体表現」をしようとしたもの。もちろんその発展として「人間の多面性を表現」とか「色々な心情を表現」とか出てくるんだけど、根本は「写真にできない表現」を追求した結果が「わけのわからない絵」なので、そう考えてみると、少しは「わけわからない感」もなくなるのでは?意味があるのよ。

・・・と偉そうに書いたけど、全部俺の独断なので信じないでね(笑)。興味がある人は自分で調べてみましょう(笑)

館の中央のあの丸い常設展示室4つを使った展示なので、作品数そのものはそれほど多くないが、なかなか見ごたえはある。
特に「禁止」と書いてないかぎり、作品を写真に収めることもできるんで、説明文をスマホで撮っておいて、あとでゆっくり読むこともできるぞ。
まあ、俺はほとんど撮らなかったが(笑)

いや、しかし、なんだかんだ言っても、やっぱキュビズムの絵を観るのは疲れる(おいっ(笑))

最後に、常設展示のロートレックやマティスを観て心を落ち着かせ、俺は館を出たのであった(毎回最後はそうだな(笑))。

山口県立美術館で開催されている特別展「佐藤健寿展  奇界/世界」を観てきた。

20230501_satou1.jpgと言っても、わざわざそれで山口市まで行ったわけではない。この日は高森みどり中の募集停止問題について県教委の担当者と話をする予定があり山口市に入った。しかし、面談の予定まで少し時間があったので、県立美術館を訪ねたのである。

ただ、時間が・・・。13:30~14:30 の一時間ほどしか鑑賞の時間がない・・・全て観れるのか?

結論から言うと、やっぱり時間が足りなかった。最後の二部屋くらいは駆け足で通り過ぎた感じ(^^;;; 二時間はかけて観るべき作品量だね。

マッドメンの写真や、アフリカ原住民の仮面など、諸星大二郎作品を好きな人なら喜びそうな作品が沢山あるので、興味のある人はぜひ(6/11までなので、まだ一ヶ月ある)

そういえば、嫁さんもこの写真展は観たかったそうだ。佐藤氏というのは「クレイジージャーニー」というTV番組によく出ていた有名人なんだね。一度もその番組を観たことがなかったので知らなかった(^^;

俺的には、最近始めた写真趣味の参考になればと思っていたのだが、そっちはあんまり・・・だった。

いや、佐藤氏の写真技術はもちろん高いものがあり参考になるんだろうけど、俺は写真(他人に観てもらう作品という意味の写真)は大きく二つに分かれると思う。「被写体そのものの存在が作品になる写真」と「なんでもない被写体を技術で作品にした写真」である。

前者は報道写真(ピンボケだろうと決定的瞬間を捉えていればピューリッツァー賞は取れる)や佐藤氏が撮っている「普通の人は目にできない光景」など。秘境写真もそうだし、有名人の日常や、バックステージの様子を撮った写真など。

後者は「どこにでもある物や風景を構図や光の向き、露光時間、シャッタースピードなどを考え、駆使し、なんか感動的な絵面に仕立て上げたり、本来の価値以上のものに見せたり」という写真で、俺たち市井のアマチュアカメラマンが撮れるのは主にこっちだ。

佐藤氏の写真は圧倒的に前者である。もちろん高い技術の上に撮られているのはわかるけど、もう、被写体のパワーがすごくて、ああ、こういう角度で撮って「巨大感」を出してるのね・・・みたいな感想はさすがに出て来ない(^^;;
というわけで、「自分が写真を撮る参考に」という点ではいまひとつだったというわけだ。

でも、本当に面白い世界の風景に出会える、楽しい写真展だと思うよ。

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