前から気になっていたんだけど、地下に降りて行くのがどうにも恐ろしくて、なかなか行けなかった店が土橋の「居酒屋dining こいし屋」である。
昼にはランチもやっていて、広島つけ麺や汁なし担々麺なども出しているようだ。
実は一昨日、知り合いが昼に汁なし担々麺の写真を SNS に揚げていて、それを見てからずっと「心」は汁なし担々麺だった(笑)。広島に泊まる予定だったので、晩飯は絶対「汁なし担々麺」にしよう!!・・・と。
ただ、この日は職場で少し残業して、それから事務所に戻ってさらにやることがあったのであまり遠出したくなかった。近くで汁なし担々麺を食べられるところはぁ?と考えたとき、「こいし屋」のことが頭に浮かんだのである。
それを受け、「そうか。ついに『こいし屋』に足を踏み入れる時が来たということなのかもしれんな・・・戦士として。汁なし戦士として」と、俺も覚悟を決めたのであった。
こいし屋は、平和公園から本川橋(あの緑の橋ね)を渡りまっすぐ堺町方面に抜ける道を、途中でちょっと右に入ったところにある。なかなか急な階段を下った地下にある店だ。
上にも書いたが、地下に下りる店には緊張する。入口を開けて中を見て、「あ、こりゃダメだ」と思ったとき、逃げ場がないからだ。
俺は気が弱いので、店員から声をかけられたら最後である。「ダメだ」と思って慌てて階段を上っている途中で「お客さん、空いてますよ。どうぞー」なんて後ろから声かけられたら、「あ、ホントです?いっぱいかと思っちゃった。へへへ」などと愛想笑いを浮かべながら店に戻らざるをえない。怖い。階段は逃げ場がないので怖い。
・・・が、そんな心配は不要だった。「こいし屋」は良い店だったよ(笑)
地下にあるので、ついつい薄暗い店をイメージしてたんだけど、明るい普通の居酒屋だった。
入ってすぐのスペースには、カウンター 5席と、4人掛けのテーブルが 3つほどあるだけだが、奥に座敷らしきものもあるようなので、そこそこの人数はさばけるんだろうなあ。
カウンター席がひとつだけ空いていたのでそこに着席。
まず生ビールを注文したのだが、ここで若干のトラブルが(笑)
生ビールを頼んだのに、しばらくして大将に「瓶ビールでよかったですよね?」といきなり聞かれたのである。面倒くさかったので「はい」と返事をする俺(笑)。瓶ビールの方が 100円高いのだが、まあ、いいや...と思ってたら生ビールが出てきた(笑)
これ、ものは生ビールだけど、伝票には瓶ビールって書いてあって 100円多く取られるパターン?って心配になったのだが、伝票にもちゃんと生ビールと書かれてあった。ほっ(笑)
晩飯が主目的だったので、生ビールとともに、いきなり「汁なし担々麺」を注文。600円也。あと、早そうなもので「冷奴」を。280円也。付きだしはポテトサラダだった。
「汁なし担々麺」は当たりだった。
居酒屋で出している「汁なし担々麺」にそれほどの期待はしていなかったし、見た目もなんかシンプルすぎるというか、あまり美味そうには見えなかった。
でも、これが食べてみるとちゃんと辛いし、花椒による「麻味(マーウェイ)」もしっかり感じられる。
もちろん、専門店の味にはあともう少し・・・という感じもあるのだが、職場から近いので、この距離でこの味が楽しめるのなら十分再訪の価値あり・・・という一品であった。
汁なし担々麺を食べ終わるのと同時にビールも空いたので、さて、次は日本酒でも・・・とメニューを見ると、残念なことに三種類ほどしか載っていない。
そのうちのひとつを注文したのだが「その銘柄だけ、ちょうど切らしている」とのこと。
仕方ないので、残り二銘柄の中から「雨後の月」でもいくかぁ・・・と考えていたら、大将(というより、喫茶店のマスターって感じの人なので、以降『マスター』と呼びます)が、「よろしければ、他にも色々揃えていますので」と傍らを指し示す。その方向を見ると、壁に日本酒の一覧があった。
数えてみると約20銘柄ほどある。広島の酒が多いようだ。
できれば飲んでみたことのない酒が飲みたいなあ・・・と思い長考(笑)。結局、広島県竹原市の「三十六石蔵(さんじゅうろっこくぐら)」という酒を頼んでみた。580円也。
これが美味かった。
けっこうしっかりした甘みを感じるんだけど、けっしてくどくない。米本来の甘みなんだなあ。
一杯 580円だから、そんなに上等なものではないだろうに、これではまるで大吟醸だ。もしかして、花椒(ホアジャオ)たっぷりの料理を食べた後で日本酒呑むとこんな感じなんかね?(^^; そのくらい美味しく感じた。
汁なし担々麺も美味いし、日本酒の種類を一杯置いているというのは何にせよ良いことだ。
職場から十日市の事務所に帰る途中にあるので、あんまり遠出したくないけど一杯やりたいって時に寄れる良い店を開拓できたな。
もっと早く訪ねてみればよかったわ(^^;