「ばくおん!!」(おりもとみまな著)の 17巻購入。
一冊まるごと16巻から始まった「四国ツーリング編」の続きだ。ちなみに、淡路島から香川、徳島を経由して巻の最後に高知に到達したところなので、次の巻もまだまだ四国編が続く。
「ばくおん!!」はオートバイに乗る女子高校生たちの物語である。
一応最初は HONDA CB400SF に乗る羽音(はね)が主人公扱い(今も一応そう)だったが、今や、同級生で YAMAHA SEROW 225W に乗るバイク屋の娘・恩紗(おんさ)、ライムグリーンの KAWASAKI 車に乗る、実は◯様であるバイク部の先輩・来夢(らいむ)、愛車 SUZUKI GSX400 KATANA を愛しつつもコンプレックスを抱いている同級生・凜(りん)、海外車に乗る金持ちのメガネっ娘・聖(ひじり)、ミニバイクレースの女王なのに、背が低くて公道ではスクーターしか乗れない後輩・千雨(ちさめ)たちのライダー女子高生青春群像劇になっている。
2011年(2012年?)からヤングチャンピオンで連載が始まり、コミックス第1巻は初版が出た1年後には 10版以上増刷されたという人気マンガだ。
ただ、いわゆるアニメチックな美少女絵なので、当初はちょっと敬遠してたんだけど、なにかのきっかけで一話読んだらハマってしまった(笑)
作者が俺等と同年代なのか、1980年代から1990年代のバイクあるあるネタ満載で笑えるのである。
今や俺もドゥカティ乗りの一人だが、「ドゥカティはエコなバイク。いつもどこか壊れているから乗ろうと思っても乗れなくてガソリンが減らないの」とか、そうそう、当時は国産メーカーと海外メーカーの品質差が大きくて、ドゥカティもそんなイメージだったなあ(笑)
「スズキにそこまでかっこいいバイクってあったかな?カッコ悪いのはすぐ思いつくんだが、インパルスXとか」なんて、ああ、GSX400X IMPULSE ってあったな(笑)。実は俺は好きだったけど(^^;、ハンス・ムートが東京六本木をイメージしてデザインしたのに、フレームからフロントまわりにかけて東京タワーにしか見えないアレな・・・って(笑)
バイク漫画というのはあんまりバイクの悪口はかかないもんだけど、「ばくおん!!」はあの頃の俺たちの世間話をそのまま漫画にしたような、時には特定のメーカーやモデルを馬鹿にした発言も飛び出す、実に「リアル」なバイク漫画である。
そんな 80年代ライダーが二ヤリとしてしまう展開は 17巻になっても変わらない。
リターンライダー・たづ子と女子高生の会話「R1って?国道1号線?」「FZ750の新しいやつ」「なんだFZのことか」「R1が通じないとは思わなかった」って、いや、俺ら R1 知らんのよ(笑)。2000年代はバイク降りてたやつ多いし、俺みたいに乗ってた人間も新型バイク追いかけてなかったし(笑)
この姿勢は観光地に対しても貫かれていて、地元とコラボして褒めちぎるってこともない。
17巻の最後のほうで祖谷渓のに行くんだけど、小便小僧がちゃちいとか、かずら橋にワイヤーが通ってるとか、側に建つ巨大な土産物屋が景観的に邪魔だし、かずら橋の良さを台無しにしてるとか好き放題。まあ、でも、これ、俺がかずら橋を訪ねたときも感じたこと。
そもそも、四国ツーリングに出るとき、主人公の羽根が「四国は4つ県があるのに、3つしか名物が思いつかない。うどんと、坂本龍馬と・・・2つしかない!」とか言ってるし(笑)
人気が出ると段々とコラボによる金儲けに走って作品として面白くなくなっていく漫画も多いけど、「ばくおん!!」は相変わらずの「俺等のリアルな感覚」を維持していてすごいと思うのである。
ちなみに、実は俺もちゃんと追いかけてないので、しばらく単行本を買うのを忘れちゃったりして、13~15巻の三冊が抜けている(^^;
それでいて、8,10,11巻は被って買っている・・・(^^;