田舎生活: 2020年2月アーカイブ

もう数ヶ月前になるけど、垣谷美雨著「農ガール、農ライフ」という本を読む機会があった。

仕事も恋人も失ったアラサー女子が農業に生きる話・・・なんだけど、田舎で野菜を作りながらスローライフを満喫する話ではない。
ガチの就農話だ。

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女性作家の農業小説なんて、結局「田舎って素晴らしい!」「無農薬の野菜って美味しい!」的な夢物語なんだろうなと偏見たっぷりに読み始めたのだが、然もあらず。

物語の大半は「畑を借りられない」、農地の借地がなかなかできないという話に割かれる。
よそ者には貸さん!と追い返されたり、日の当たらない場所や急斜面になってる畑を親切そうな顔で紹介されたり。

ほんま、なかなかリアルな話だ。

実際そうだ。
田舎に引っ越したい、百姓やりたいと夢見る人はそれなりにいるが、家が見つからない。(良い)農地が見つからないという壁にぶつかり諦めるケースも多い。

祖生だってそうだ。

もっと家や土地を流動させなきゃいかん。もちろん、変な業者に買われて産業廃棄物置き場とかにされたら悲惨なんで、個人相手のみで法人には売らんとか、10年間は家屋以外を建てちゃ駄目とか色々条件はつけないといけないだろうが。

そもそも、祖生に産業を起こす必要もない。単なるベッドタウンでいいのだ。「祖生を活性化させる何かをしてくれる人を呼ぶ」なんて必要はない。「ただ祖生に住む人」を増やすべきなのだ。住む場所として、祖生は悪くない。前にも書いたけど、車で15~30分走ると、割と何でもある。政令指定都市の広島市内にだって高速使えば 1時間かからない。休日なら高速代だって片道数百円だし。

あ、「農ガール、農ライフ」の話とずれちゃったけど(笑)

まあ、ようするに、祖生に土地があるけど他所に家建ててがんばってる方々は、「年取ったら祖生に帰る」なんて馬鹿なことは一切考えず、さっさと祖生の土地なんか手放してほしいのだ(笑)
田舎は、年取って住むのには厳しいよ。ええ、祖生もね・・・なんてことを考えながら読んだのである。
昨夜は地元の地域の親睦団体である「れいぜん会」の飲み会があったので、俺も隣に住む弟と参加。

別所畑生活センターで 19時頃からスタート。

ソフトボールの話や釣りの話。小学校の複式学級の話や中学校のカヌー同好会への勧誘(笑)。色々な話をした。
個人的には、PayPay がカード無くても現金チャージで利用できるという話が一番の収穫であった(笑)
アプリを入れた時に、Master Card と VISA と Yahoo Card を登録せよとか出て、AMEX と JCB カードしか持ってない俺は「やかましいわっ!!」と利用を諦めていたのだが(PayPay のためにカードを新規で作るなんて、そんな負け犬にはなりたくねえ!!(笑))

あとは俺が由宇港で「尺メバル」を釣った話とか・・・(釣ってないけど(笑))

差し入れの「久保田」も空き(笑)、ビールの空き缶が何十本も流し台に並ぶ頃、22時すぎ頃だったか宴終了。解散。残った酒は最後まで飲んでいたメンバーで山分け。俺は、三分の一ほど残っていた紙パックの「金冠黒松」をいただいた。熱燗にすると美味い酒だ。この時期にありがたい一品。

祖生を拠点とし、切腹の時に自分の臓物を天井に投げつけた鬼のような武士・冷泉隆豊の話は、自宅に帰ってゆっくり読むことにする。

自宅に帰ると、ちょうど「れいぜん会」に合わせ、近所のママ友たちと「女子会」をしていた嫁さんが帰ってきたところであった。
今日は、19時から公民館で行われた「祖生地域おこし検討会(仮)」に、青少年育成連絡協議会副議長の立場で参加。

公民館長から祖生地域の現状についての説明を聞き、続けて岩国市市民生活部の方から「地域おこし協力隊・集落支援員の概要」について説明を聞いたあとで、自己紹介を兼ねて参加者一人ずつ意見を述べた。

俺は否定的なことばかり言ってごめんなさい(^^;

でも、正直、地域活性化のために期間(2年とか 3年)を決めて役場の臨時職員とかに雇って外から人を呼ぶ・・・とか、「一時的に住民が一人増える」以上の効果は無い気がする。
2年間の臨時職員の仕事がなくなったら、多分、その人「詰む」よ。たった 2年間でちゃんと食えるだけのブランド品を作れるのは可能性として低いし、その後、祖生が気に入ったからって別の仕事を見つけようと思ったら・・・かなり難しい。それができるのなら、俺が広島までの通勤なんかさっさと止めて、別の仕事見つけてるよ(笑)

そもそも、臨時職員の仕事も月額報酬が 16万円台とか完全にブラックやし・・・。例えば、30代の働き盛りの青年が生きていくには相当厳しい金額だろう。家族持ちだったら不可能だ。だって、34年前に就職した時の俺の初任給(それも手取り)と一緒やで(笑)

というわけで、役所の人にせっかく説明してもらったんだけど、(多分、限界集落までいくと意味があるのかもしれないけど)祖生ではまだ「地域おこし協力隊・集落支援員」は不要かなあ。

やっぱ自分で仕事を見つけて「祖生は単なる住む場所」という形の人が増えてくれるのが一番自然かなと思う。

祖生は、海水浴場まで車で 15分。海釣りも車で 15分走れば何箇所か良いポイントがあるし(188号線沿いの港や、大島大橋まで 15分)、由宇のカープ二軍練習場まではうちから車で 3分だ。由宇駅からより随分近い。まあ、すげえ坂なので、自転車だと 30分かかるけど(笑)。その代わり、帰る時は自転車でも 5分だ(笑)。

岩国の市街地まで 30分。下松の大型ショッピング施設とかにやっぱり 30分。玖珂駅までは、由宇寄りのうちの家からでも自転車で 15分(だらだらいけば 20分)。6kmほどなので、酔っ払って歩いて帰るのもまあ可能だ(実際に何度かある(笑))
ちなみに、山陽本線の通津駅までも車で 15~20分。
そうだ。一番近いキャンプ場までは車で 8分である(笑)

いやあ、ほんとに、祖生って 15~30分で大概のアウトドアなレジャーもできちゃうので最高だと俺は思ってて、13年前に広島から祖生に帰ってきてよかったと本当に思っている。だから「祖生地域おこし検討会(仮)」とかでも、「いや、俺は全然今のままで満足よ」とか思ってるんで、あんま建設的な意見が出せないのよね(笑)
昨年 12/1 の祖生天神では、美和町の北中山子ども神楽(山代白羽神楽保存会)に来ていただき舞を奉納してもらった。
午前から午後まで延々と何時間も神様の前で素晴らしい舞を見せてくれた。

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俺も今年度は神社の奉吏(ほうり)の役が回ってきているんで祭りの最中に本殿にも何度も顔を出したのだが、三百歳駅伝やら綱引き大会やらにも出なくてはいけなくて、「天の磐戸」「大江山」「三鬼」「恵比寿」などはところどころしか観れなかったのだが、舞ひとつ観るだけでも価値がある。

で、諸々の用事を終え、派手派手でむっちゃ盛り上がる「八岐乃遠呂智」は通しで観ることができ満足だったわぁ。

神楽のあのトントコトントントコトン・・・という単純な太鼓の音も気持ちを高揚させるねえ。というか、ドーパミンによる恍惚感みたいな感じか。テレビで神楽とかを観てもあまり高揚することはないんだけど、やっぱり生神楽は違う。

そうそう。源頼光を演じた子供神楽の最年長の中学生のお兄ちゃん。彼の踊りが、左右の肩をひょこひょこと上下させ、なんかジョジョっぽくて格好良かったなあ(笑)

本当に楽しいものを見せてもらって「ありがとう」だ。

ところで、演じてくれた子供たちに申し訳ない点がひとつ。

祖生には神楽の文化はない。
神楽だけではなく、そもそも祖生には「演芸を楽しむ文化」がなかったと思う。皆働き者で「娯楽は悪」みたいな感覚?だったんだろうか。

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最近祖生でも、田植えの時期が終わったあとに「泥落とし」(山口県では田植えが終わった後の祝いをそう言う)の演芸会を開いたりしているが、俺らが子供の頃にはそういうのもなかった。

なので「おひねり」の習慣がないのだ。

「大江山」のあとだったか、子ども神楽の子供たちも客席(境内にパイプ椅子を並べただけだが)を鬼の装束で練り歩いてくれた。本当ならこの時に子供たちにおひねりを渡してあげるべきなんだけど、そういう習慣がないのよ。わかってる俺たちでも、「気恥ずかしくて」できないのだ、それが(^^;

だから、決して子供たちには「あそこはケチだった」とか思ってほしくはないのだ(^^;
主催者は反対に、神楽などを呼ぶ時には最初にそのことを説明し、出演料とは別の包で寸志を渡したほうがいいんだろうなあとか思ったり。

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