今年も「一人で入るのが怖い店に一緒に入ってあげる益荒男(ますらお)の会」の一番益荒男であるMイさんには色々な店に同行していただいた。
その中で、今年一番ヤバかった店こそが、西十日市の「Gallery神秘カフェ 素戔男尊(すさのお)」である。
今年もまだ 2週間ほど残っているが、あの店を超える店に出会えるとは思えない。
実は一度一人でランチに行ってみたことがあるのだが、店の前に自転車を停めて、さあ、店に入ろうかとしたところで、中からナジャ・グランディーバそっくりの大きな巫女さんとお客さんが出て来て、お客さんが「占ってもらって本当によかったです」とナジャにペコペコする場面に遭遇した。
え?ここ、ランチやってる店じゃなかったっけ?そういうスピリチュアルな店だっけ?いやだ、怖い・・・と、ナジャがこっちを向いた瞬間に顔をそむけ、隣の電気屋に用があるようなふりをして逃げた・・・その店に、Mイ益荒男から「行ってみませんか?」とお誘いがあったのだ。もちろん一人じゃないなら大丈夫と了承。
あ、ちなみに、ナジャ・グランディーバそっくりと思ってた巫女さん、実際に見ると良い笑顔の優しそうな巫女さんであった(笑)。あのときは恐怖心がナジャそっくりという幻影を見せたのであろうな(笑)
店は「スピリチュアルな癒やし空間」「女性の願いが全て叶う開運パーク」「高波動なカフェ」を謳い文句にしている、まさに「俺なんかが行っちゃいけない」ところであった。
テーブルの上には「開運・浄化・魔除けパワーシート」というのがさりげなく置かれているし(笑)
しかし、たしかに店を入ってすぐのスペースにはそういうスピリチュアル趣味であろう女性たちが一人で来店してランチを食べていたが、奥のスペースにはそういうのを信じていない近所のサラリーマンたちが純粋にランチを楽しみに来ている感じであった。
最初、Mイ益荒男と「俺らがそういうの(スピリチュアルなもの)を一切信じない人間だっていうのがバレたら、店の奥に連れていかれて尋問や洗脳を受けたりとかするんすかね?」とビビっていたが、その心配はないようである。
さて、この店のランチの目玉は「肉ランチ」と呼ばれるステーキランチのようだ。
が、我々が注文したのは「カレー南蛮そば」である。「天津」「チキン」「和牛」から選べるので、我々は「天津」を選択。まさに「天津丼」のように上にとろりと卵の餡がかかっているメニュー写真が美味そうだったのだ。
しかし、これはちょっと失敗であった。
なんと、料理が出てくるまで 30分も待たされた挙げ句、楽しみにしていた天津丼のような卵の餡は、まるでスクランブルエッグのようなカチカチに炒めたものだったし、その量もかなり少なめ。最初、「あれ?卵が載ってない?忘れたのかな?」と思ったほどだ(^^;(いわゆる、メニュー写真との乖離の激しい一品)
そして、麺が底の方で固まっていた。ほぐれてないのだ。かなり煮すぎてしまったようにヤワヤワの麺が底の方で毛糸だまのように絡み合っているので、食べにくいこと、食べにくいこと(^^;
トドメは、「味が薄い」ことだ(^^;
カレーの味は、いわゆる「蕎麦屋のカレーうどん/そば」のアレである。スパイスの効いた黄色い汁ね。基本的に俺は嫌いではない。ていうか、カレーそばとかで「普通のカレー」をかけて出してくる店は「手抜きしてんじゃねえぞ」って思うくらいで、「素戔男尊(すさのお)」のカレーそばは正統派といえる。
しかし、なんか出汁が足りないっていうか、味が薄いのである。出汁を入れ忘れた味噌汁みたいに。
料理が出てくるまで異常に時間がかかっていたので、なにかアクシデントがあったのかもしれない。皆、肉ランチを頼んでいるのに、我々だけ「カレー南蛮そば」だったので、厨房がバタついたのかもしれない。そのため、本来の味ではなかった可能性もあるが、でも、あの卵の有様を見たら、もう一度試してみようって気にはならんなあ。
というわけで、巫女さんたちの接客も悪くないし、値段も安めで(スピリチュアルな怪しさを除けば(^^;)良い店だと思うけど、わざわざもう一度スピリチュアルな趣味のまったく無い我々が食事に行くほどの価値は見いだせなかった。残念である。
まあ、美味くなかっただけで、極端に不味いって話でもないので、スピリチュアル趣味な方であれば許せるレベルの味なのかもしれないことは最後に記しておく。